前田の長州への顔面蹴り事件とブッチャーのジャンプ!②

この状況、映像で見ると実に自然にファンの歓声が沸いているのですが、
やっているブッチャーとファンの側には(おそらくですが)意識のズレが
間違いなくあるのだと思います。

まずブッチャーですが、直前の新日の状況を把握していたとは思えません。
仮に誰かが伝えていたとしても自分のアピールのことで頭がいっぱい
だったでしょう。
ブッチャーのうさんくさい空手演武はルーチンのお約束です。
ジャンプについては、自分を暖かく受け入れてくれたファンに対してお礼の
意味を込めたパフォーマンスだったのではないでしょうか?
ヒールゆえ深々とお辞儀する訳にもいかず、喜び→身軽さの顕示
という捻った表現を取ったのだと思います。

方や場内のファンですが、他団体とはいえ「新日で変な事が起き
ちゃってるな〜、せっかくプロレスを見るんだから明るい気持ちに
させて欲しいな」という気持ちの方が多かったのではないかと思います。
そしてブッチャーの懐かしいパフォーマンス!ファンはなんとなく忘れていた
プロレスの持つ、うさんくさいながらも開放的・牧歌的な選手個人の
魅力というものを突然思い出したのではないかと思います。
「あぁ〜!そうそう!プロレスの魅力ってそれなんだよ!」的な。

つまり、ブッチャーとファンの意識は微妙に、いや、かなりずれており
ブッチャーは自分を誇示、その結果ファンはプロレスの本来持つ魅力
を思い出して歓声を送っていたのです。
話は変わりますが、バラエティ番組で「変な空気」という言葉が出たりします。
空気を読めない芸人さんが、自分の素の行動で笑われているのに
その事に気付かないで客席がクスクス笑っている状況です。
しかし、この時は実にスムーズにブッチャーのパフォーマンスからファンの
大歓声になったのです。

で、何が言いたいかというとですね。
プロレスは各々どんな見方をしたっていいんです。
だから飽きないし、いい年になっても色々な視点で語る事が出来るんです。
真剣勝負前提で見るのもよし、筋書きありきで見るのもまた楽しいし、
私みたいにそれとはまた別の目線で見るのもよし、
アイドル的目線で見るのもいいでしょう。
おそらく会場にいるファンはそれぞれがそれぞれの見方をしている筈です。
なのに盛り上がる時は必ずその前兆があり、おきまりのパターンで盛り上がる。
逆に一旦しらけるとレスラーがどんなに頑張っても客席はうんともすんとも
言わないのです。勝とうが負けようがそれは同じです。

後、プロレスがどんなジャンルかというと、格闘技と演劇をミックスした
ものと考えています。語弊があるかもしれませんが。
真剣勝負のアスリートは、試合中客のリアクションについて気にしている人は
あまりいないと思います。(一部はいると思いますが)
また演劇の方は、リアルな死を覚悟してやっている役者も少ないでしょう。
レスラーはそれを踏まえつつ、客を納得させる動き・試合を行わねば
ならないのです。

話を戻すと、この鶴田組対ブッチャー組戦、様々なバックボーンが絡んで
この時にしかありえない名シーンが生まれるというプロレスならではの
試合なんですね。
そこにプロレスの見方の面白さが詰まっているんです。
おわかりいただけたでしょうか?

色々と書いている内に今年も後わずかになってしまいました。
このブログも来年はいくらかレベルアップして行きたいと思います。
現状はもろ素人の中身で知人に告知するのも恥ずかしい。。。。

それでは、皆様良いお年を!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。