野球少年の夢〜〜左打ちのケジメ(5)

こんにちは、CMBOです。中学時代野球部の話の続きです。

いよいよ練習試合の日が来ました。相手はウチの中学から歩いて30分くらいのところにあるH中学。元々野球部は安定して強いのですが、エースのA投手の投げる速球は抜群に速く区大会は確実に勝ち抜くだろうと噂されていました。よくそんな強いチームがウチの中学と練習試合を組んでくれたものです。

対してウチの中学は前章で書いたようにチーム内部の投票で決定されたメンバー。K先生は約束通りそのメンバーを先発に起用したのです。打順は流石に自身で考えて決めていましたが。勿論私はベンチスタート。しかしもしかしたら出番があるのでは?という胸騒ぎがしていました。自身の調子はだいぶ上がってきており、K先生からも頻繁に「自身はあるか?」と聞かれていたからです。

但し先発メンバーから漏れた他の9人はいずれも小学校時代は何らかの運動が得意で今のクラスでも体育の時間は中心的存在になる選手。通常のクラスの体育の時間でも目立っていない私とは格が違う感じなのです。「コイツらを差し置いてK先生が俺を使うのか?」そう考えるとかなり疑問でした。そもそも私は小学校の時は何もクラブチーム的なものに所属していなかったので、試合自体が初体験だったのです。

さあ、試合開始!しかし展開は圧倒的なH中学のペースで進みました。初回にいきなり3点取られ、その裏の最初の攻撃は3者連続三振です。今思えば技術的にA投手に対抗しうる選手は何人かいたとは思うのですが、とにかくチーム自体試合経験が未熟なので雰囲気に飲まれ常に相手のペースで試合が進んでいました。エラーも重なり試合は6回を終わった時点で9対0。次が最終回です。

更に情けない事に我がチームはA投手から3つだけ四球を選んだだけで誰もヒットを打っていない状態でした。そうです、ノーヒットノーラン継続中だったのです。とにかく監督であるならこの記録だけは阻止したいところです。

K先生は7回の表のこちらが守りの最中私を呼び「●●(私の名)!次の回一発目で代打行くからな!」と肩をたたかれました。まさかではあるのですが、出番が来る事になったのです。K先生のデカい声は皆んなに響き渡りました。

チームメイトのざわついた雰囲気が感じ取れました。私は準備の為椅子から立ち上がりましたが横にいるチームメイトの顔を見る事は出来ず、うつむいてバットを取りに行きました。何人かが「頑張れよ!」と声をかけてくれました。しかし全員の方を見る事は出来ませんでした。特に私とは一番離れて座っていた同級生の仲良しグループのDとは。。。。

これは私の思い過ごしかも知れませんが、一部のメンバーから『ジェラシー』を感じていたのです。いわゆる「新任の何もわからない先生に取り入ってヒイキにされている。」という妬み。。。。。もちろん私には先生におべっかを使おうという意識は全くなくただただ言われたことを素直に聞いて一生懸命にやっていただけなのですが、逆にそれが反感を買っていたのかも知れません。

そして特に仲良しのDのアタリがここ最近えらく強くなっていたのには閉口していました。Dは私が所属?していた5人くらいの仲良しグループのリーダー的存在で、私がいじられ役でした。Dは既に身長が170cm後半まで伸びておりスポーツ万能。しかしちょっと底意地が悪いところがあって私はそのイジリに悔しい思いをした事が何回もありました。

昨年秋の時点ではDは野球部内でも中心選手でクリーンアップを打っておりチームを引っ張る立場的選手でした。しかし私が左打ちに取り組んでいた冬の期間、前任の先生が練習を見にこないのをいい事に部員に対し練習をサボるようそそのかしていた感がありました。それが理由かどうかはわかりませんが、何となくチームから浮き出した感があり、打撃も不調となりレギュラー落ちしていたのです。そしてK先生ともソリが合わなかったようでややふてくされていました。

そして私の打撃練習が注目を浴びれば浴びるほどDのイジりが強くなるのには参っており、やや私から距離をおきだしていたのです。

ちなみにこのD氏、高校は私と別の学校に行く事になり、もう会うこともないかと思っていたのですが、私が確か21歳くらいの時、酔っ払って私の実家に夜9時頃急に現れ「近くで飲んでたら久しぶりに顔を見たくなったので」と言い出したので家にあげてお互い酒を酌み交わしました。

それはいいのですが、Dは「私に卒業した高校の卒業アルバムが見たい」と言いだし、見せてあげたのですが、私が別の友達からの電話で席を外している間にマジックでアルバムに落書きしまくってくれたのです(笑)それも当時私が付き合っていた女の子やずっと好きだった女の子の写真を真っ黒に塗りつぶしたのです。私もつい喋ってしまったので。。。。もう他人に見せられるしろもにではなくなってしまいました、私の卒業アルバム。。。

Dは謝ることもなく上機嫌で帰って行きました。その時の私は何も抗議する事は出来ませんでした。しかしもう手に入れることができない卒業アルバムをめちゃくちゃにされたのですからこの恨みは未だに忘れません!損害賠償を請求しようと思ったくらいです。特に女子ばかり真っ黒に塗りつぶしやがって、、、(笑)Dのその後の消息は不明なのですがそこそこ名の通った大学に進学していたので安定した人生を歩んでいるのではないかと思います。

話が大きく逸れました。そうです、ピンチヒッターなのです。7回の攻撃は4番打者から。私は6番のところで起用される事になりました。6番の選手は本日2三振。大きな特徴のない選手でしたのでノーヒットノーラン阻止の為一か八か私を見起用する事はそれ程おかしな事では無い、と思いました。

4番打者は打って出ましたが、センターフライ。何とこれが初めての外野への飛球です。5番はセカンドゴロ。右打者ですが完全に振り遅れてボテボテの当たりでした。5番打者が打っている最中、私はネクストサークルで力の限り素振りを繰り返しました。例の「バサッ」という素振りに音が投手に聞こえるように。まあこれは野球漫画よくある手法ですが、投手に舐められないようにする為です。

さあ!いよいよ対決!私は審判に自身で代打を告げました。そしてグラウンドを見渡すと、相手の1塁手と2塁手が2、3歩後ろに下がり、ショートがややセンター側に守備位置を変更したのが分かりました。私の思惑通り相手には私の素振りの音が不気味に聞こえ、「引っ張って強い打球が来るかも」と少し後ろに下がったのだと思いました。

あとはもう打つだけ!私は無心でバットを握り左打席に入りました。

で、今日はこんなところです。それでは次回。

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