患者側から見た骨髄移植の流れ(1)

こんにちは。CMBOです。最近Twitterにて「水泳の池江選手の白血病公開により骨髄バンクへのドナー登録者が増えたものの、一時的な感傷で登録された方もいらっしゃるようで、移植の打診があった場合のキャンセルが相変わらず絶えない。」というような内容の議論がなされて私も若干意見を述べさせていただきました。

その件は私も色々もっと意見を述べたい気持ちもあるのですが、根深い話なので十分下準備をしていつかじっくり書こうかと思います。今回は患者側から見た骨髄移植の流れを簡単に時系列でまとめてみたいと思います。このブログでも断片的に書いてきた内容ですが、出来ればドナーさんにも読んでいただき、患者側の状況をご理解頂ければと思います。

一応私の経験に基づいた事をベースに書いていますが、なるべくネット等で裏を取りながら書いています。でも実際は違う部分があるかも知れません。もし致命的な間違い、認識違いがありましたらご指摘いただければありがたいです。

①骨髄移植への決断

多くの場合、骨髄移植は血液疾患(各種白血病、骨髄異形成症候群等)において抗がん治療の効果がみられなくなった場合検討されます。他のガン治療と大きく異なる点として、骨髄移植は患者自身が最終決断をしなければならないという事です。理由は色々あるかと思いますが、最大の理由は移植を行ったからといって患者は必ずしも病気が完治する訳ではないという点が大きいのでは?と思います。

ハイリスクハイリターンの手術なので必ず患者の判断が必要という事なのでしょうか。。。。

ドナーさんってこの事はご存知なのでしょうか?骨髄バンクの方はこの件は説明されているのでしょうか?移植を行った患者の生存率ですが、資料の見方が難しく一概には言えないのですが、3年後で40〜60%程度と言われています。

せっかく頂いた骨髄が生着しても、体内に上手く馴染めず、他の感染症を引き起こし、命を失わずともずっと入院したまま社会に中々復帰できず先が見えないまま尚病気と闘っている患者さんは沢山いるのです。

ドナーさんの中には「せっかく骨髄を提供したのに患者さんからの手紙がなかった。」という意見を言われる方がいらっしゃるようです。手紙は骨髄バンク経由で計2回やりとりが可能なのですが、患者さんはやはり病状が落ち着いてからお礼の手紙は書きたいと思うのではないでしょうか?もちろん状態がいいのに自分の考えで手紙を書かない方もいらっしゃるかも知れませんがその辺りはご理解頂ければと思います。

ちなみに患者の移植後の様態については、ドナーさんには一切知らされません。極端な話、容態が悪化し命を落としたとしても特に報告がある訳ではないのです。ずっと入院生活を送っていたとしても同様です。情報のやり取りは上にあげた計2回の手紙のやり取りだけなのです。

② 骨髄移植の条件

まず患者にとってどの骨髄を移植すればいいのか?これは白血球の型(HLA )が合致する事が条件となります。これは血液型とは全く異なります。HLAが合致すれば血液型が異なる同士でも移植は行われます。その結果患者の血液型はドナーさんの型に変化する事になります。

このHLAですが、そうそう合致するものではありません。その患者さんの型がありきたりなものか?珍しいものか?で異なりますが1〜2万人に1人程度の確率もあれば数百万人に1人という事もあるのです。現在骨髄バンクの登録者様は約40万人なのですが、「誰もHLAの型が合致する登録者さんがいない!」という事は十分あり得るのです。

③ 骨髄移植の条件〜白血球の型8個の合致

白血球の型は“座”と呼ばれる合計8個の遺伝子から構成されています。基本この8つの座が全て合致することにより移植へのGOサインが出ます。これを完全合致と呼びます。しかし完全合致の近親者・ドナーさんが枯渇した場合、医師の判断のもと患者が同意した上で1座違いの移植が行われることがあります。

しかし、座が異なれば異なるほど、術後の体調に悪影響が高くなる可能性があるといわれています。私の場合で行くと、30人近くいたドナーさんが一人を残して諸事情で全て消えてしまったので担当医が1座違いのドナーさんの確保の準備を始めていました。1座違いの移植はそれなりにある事のようです。私が某患者の会でお会いした方は4座違いで移植した、という方がいらっしゃいました。正直「ホンマかいな?」と思いましたが。。。。。

④ 近親者への移植打診

上記の点を踏まえた上で、患者本人の血液検査を行い白血球の型を確定します。そしてまず近親者に対し、移植の可否の確認を行います。近親者の中でも兄弟及び両親はHLAが合致する確率が他人より高い為です。その確率は両親だと1/30、兄弟だと1/4です。(双子の場合合致率は100%です。)その他の親戚等ですと赤の他人と確率は変わらなくなるので確認はおこないません。

近親者の移植は赤の他人よりも術後の患者の様態の成績も若干いいようです。そして対象者の合意を得ることができればその方の血液検査へと進む事になります。この近親者の移植の場合ですと、患者さんを治療している病院が主体となって処置がおこなわれ、患者側は骨髄バンクとは関わることはありません。

ただし、これは骨髄バンクのドナーさんも同様なのですが、型があっており、本人の意思が確認できていても100%移植が実現する訳ではありません。過去輸血を受けた経験がある場合はNGとなりますし、治療中の病気があればドナーを見送られるばあいがあります。全てが担当の先生の判断になります。

余談ですが、私自身、骨髄移植を決意し、弟に移植の依頼を行ったのですが、自身がとある病気の疑いがあるという事を理由に血液検査そのものを断られてしまいました。この事は正直未だに許しがたいのですね。確かにその病気は移植に引っかかる可能性が高いのですが、血液検査そのものを拒否したのですからはじめっから私の病気に関わりたくなかったのだと思います。

私もsns等で色々な血液疾患の方とつながり、色々と意見のやり取りをしました。確率1/4の検査結果が合わなかったという話は結構あるのですが、身内が移植そのものを拒否したというのは聞いた事がありません。全く困った弟ですw

移植を諦めざるを得ない場合

「移植を諦める」という書き方は語弊があるかもしれませんが、白血球の型が他にあまりないタイプの場合、近親者はおろか、40万人登録者がいる骨髄バンクの中にも合致する方が全くいない、というケースは決して珍しくはありません。このような状況の場合、新規でバンクに登録された方が合致するという可能性はかなり低いようです。

また外国籍の方と結婚された方はそのような稀少な型になりがちなようです。しかし、血液検査の結果がそのような「ドナーさんゼロ」の結果が出てしまった方の気持ち、、、本当に辛いだろうと思います。自身がガンにかかったと判明した時もそうだと思うのですが、この検査結果についても「自分が何か悪い事をしたのか!」と言いたくなるかと思います。

そのような状況に陥った場合、抗がん治療を継続しながら新しいドナーさんが現れるのを辛抱強く待つ事になります。しかしそれは必ず現れるという保証は何もないのです。でも患者の側はできる事は何もありません。

もしやれる事があるとしたら、骨髄バンクへの登録を呼びかける事です。私のTwitterのフォロワーさんの中にもそのような方が何人もいらっしゃって、バンクへの登録への呼びかけを必死に行っておられました。その気持ちは痛いほど分かります。

もしその声かけでいく名かの優しい心の持ち主の方が骨髄バンクに新規登録していただいたとしても、おそらくそれは他の患者さんところに行ってしまうのです。でも「万が一」の可能性にかけそうするしかないのです。あとそれ以外に赤ちゃんのへその緒の血を利用した臍帯血移植という移植もあるのですが、体重制限等があります。これは別に改めて書きたいと思います。

長くなったので今日はこんなところですね。まず骨髄バンクの登録者様に連絡が行く前にこんな事が起こっている、という事を書いてみました。

それでは、また。次回に。

#骨髄バンク

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