こんにちは、みやけです。
今回は沢田研二さんの回。個人的に好きな曲を紹介する「私的名作セレクション」をまた書いてみたいと思います。その前にですね、今年のジュリーの全国ツアーの話ですが、皆様ご存知の様に一発目の福岡公演(9月17日福岡サンパレス)が台風の影響で延期となってしまいました。無事11月22日に開催が決定した様でチケットを買われた方は一安心なのでしょうけど。楽しみにしていたファンは本当に残念だったと思います。
元々福岡という土地、特に福岡市内近郊については意外に近年は「台風がモロに直撃する」という事はほとんどなく(県の南部・北九州は別ですが)、大型の台風が近ずいても結果的にはそれほど大きな被害は被らないという事が多いのです。ですので発生・接近する度に「どうせ逸れるっちゃけん、博多は台風からは守られとーと!」といまだに元寇の際、大風で元軍の船が軒並み沈んだ、というもはや都市伝説レベルの話を未だ妄信していたりもするのです。
まあ、それはいいとして今回も直撃はしなかったものの、おそらく来場者の行き帰りの安全面を考慮して延期の判断。しかし告知がやむなく当日であったため、多くの方がすでに会場に向かわれ、福岡入りしてからその事を知る、という状況が多くみられた様です。私のtwitterで繋がっている方々もその様な方が多くいらっしゃいました。またコロナの感染者数絡みが原因で一旦はチケットを購入したものの、結局は断念した方も多く見受けられ、ファンにとっては色々とヤキモキした福岡公演だったと思います。
私は健康状態を考慮して今回もチケットは買っていませんが、延期になった公演について盛況であればいいな、と願っています。幸い以降のツアーではジュリーは体調も万全な様で、絶好調の様ですから、出来るだけ皆さんがハッピーになればいいなと願う次第です。

さて、本題です。今回紹介するのは「時計/夏がいく」です。1995年12月に発売されたアルバム「sur←(ルーシュ)」に収録されたもので、作詞は西尾佐栄子さん、作曲はジュリー、編曲は白井良明さんです。西尾さんの提供した曲としては「子猫ちゃん」「あんじょうやりや」「堕天使の羽音」等があり、非常にインパクトが強い独特の世界観の詞を作られる方だなと感じています。
石畳の隙間ヒマワリが咲いている、鼻先近づけて瞳を閉じた。クスクスと笑い声聞こえた様で驚いて振り向けば君がいる。
迷子になりそうな小道を曲がったら、日傘を差す人に会釈をしてる。indigoのスニーカー叱られるけどかかとを踏んだまま僕はいた。
ah 夏がいくどこへいく僕を置いてく。大好きな夏がいく巡りいく僕に何度も。時計が静かに動いてる、優しいね 夏。
遠い遠いあの日、頬にキスをされて、どこかの子守歌聞いてたのさ。傾いた木造の古い洋館、君の弾くオルガンとよく似てる。
夕立呼びそうな雲を眺めていた。メロディ口笛でなぞってみたら、何ひとつ悲しい訳じゃないのになぜだろうこの涙こぼれてく。
ah 時がいくどこへいくすべておいてく。大好きな風はいく巡りいく僕に何度も。
ah 夏がいくどこへいく君を連れてく。大好きな風はいく巡りいく僕の耳元。時計は静かに音立てる、ひんやりと夏。優しいね 夏。
この曲は思わず涙がこぼれてきそうな、いわゆるニューミュージック的な情実的な詞でありながら、曲そのものとしての仕上がりは完全にロックになっているのが非常に面白いのです。ノリノリで聞く曲ですよね?この曲は。しかしその一方心の中に熱いものがこみ上げてくる曲なんです。
主人公の目線としては一見小学校高学年程度の男の子に思えますが、20代の若者でもおかしくないし、40を超えたおっさんでもおかしくない様な気がします。ただしかし、ストレートには表現していませんが、男性が持つ母なるものへの想いを暗に表現している様にも思うのです。時計・夏・大きな風、古い洋館等、、、、揺るぎないもの、攻撃的でなく静かに君臨しているものは母なるものにしか見えないのですね。

しかしここで曲のテンポがネットリしたものだと依存性が硬いイメージになってしまうのですよ。ですので石畳をを飛び越えて歩く様なリズムが男の子の反抗心をイメージさせるのです。でもah~で母なるものへの想いを一気によせる。ジュリーがどの様な思いでこの曲を作曲したかは分からないのですが、私はそう感じているのです。心が現れる様なとってもいい曲だと思います。ジュリーの声にもよくはまっています。
少し不思議な曲ですけれどもとても強いインパクトがある曲ですね。
そして次に紹介する曲は企画ものです。名曲「MY WAY」をフジテレビの夜のヒットスタジオにて、布施明さん・五木ひろしさん・森進一さんとリレー方式で歌い継ぎ最後は全員で合唱するというものです。(1977年10月3日放送)ジュリーとしては当時は「憎みきれないろくでなし」がヒットしていた頃でまさに全盛時。他の3人とで「若手ビッグ4」と呼ばれ当時の歌謡界を引っ張っていきつつあった関係であり、この4人が集う企画はその後何度か実現していますが、実力・人気を兼ね備えた4人の歌唱はまさに圧巻ですね。
個人的には布施さんの声量の凄さと、ジュリーの唯一女性的な高音のしなやかさが際立っていると思います。重要なのはこの4人がその後も「ビッグ4」と呼ばれるにふさわしい実績を積み重ねた事だと思います。あえて言えばこの後、ジャニーズや女性アイドルグループの出現によって「歌謡曲」というジャンルがなくなってしまった感があるのです。
どのジャンルも「その時代の第一人者」という存在がいるはずですが、日本の音楽界はこの後あまりにも細分化しすぎて、「トップ」という存在が見えにくくなってしまった感があります。それは良い点もあり悪い点もあったかとは思いますが、この時の様に歌い手のランクというものが明確だった時代の方が私は好きですね。

今日はこんなところです。それでは、また。
#沢田研二
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