ビートたけしのアナーキズム ~夜につまずき&信じあうことは~

こんにちは、みやけです。

実は私、4月1日に55回目の誕生日を迎えることが出来ました。6年前の冬に血液のがんが発覚、4年前の夏に骨髄移植を受け、なんとか生き延びてきただけに感慨深い思いもあるにはありますが、その反面「四捨五入すれば60!」という思いもあるのも事実です(笑)、まあ、人生の後半戦に入っているのは確実であると思います。

どちらにしても、このブログを続けることが自身の大きな生き甲斐であることは間違いありません。少しずつですが読んでいただく方が増えているのは本当にうれしい限りです。今後ともよろしくお願いします。

さて、今回ですが、ビートたけしさんの「曲」「歌」に関する話がテーマです。たけしさんの事は何回かこのブログでも話題に出していますが、私の人生の中で「この人と同じ時代に生まれてきてよかった」と思っている人の一人です。特に私が15~25歳くらいの間にどれだけ楽しませてもらえたか。。。。

近年のたけしさんの「在り方」については世間からは批判的な部分も多いですね。正直私もそう思うひとりではあるのですが、でもこれまでの感謝の気持ちには変わりはありません。今年に入って長年レギュラーMCを務めてきたTBSの「情報7デイズ」を卒業、かと思ったら結構楽しみに見ていたNHKの「たけしのその時カメラは回っていた!?」も急に番組終了となってしまい「いよいよたけしさんを見る機会も少なるのだな。。。」と思ったものです。

ただし、私については後年、映画を撮ったり絵を描いたりする「文化人」としてのたけしさんより、漫才ブームが一段落してオールナイトニッポンのパーソナリティに就任したころの「極めて危険な狂気」の部分を包み隠さずに露出して芸能界を駆け上ろうとしていた頃のたけしさんにたけしさんに一番思い入れがあるのですよ。よく松本人志さんと比較されることもありましたが、私の脳内ではたけしさんはフリートークの頂点の人、松っちゃんはコントの頂点の人ときっちり区分けが出来ています。2人は性格的には似ている部分はあっても芸風は全く異なると思うのですよね。

そしてその上昇期の真っただ中の1981年、歌にも挑戦し「俺は絶対テクニシャン」というシングルレコードをリリースします。これはコミックソングの色合いが強かった曲ですが、そのハスキーボイスは一部で評価され、翌1982年に「俺に歌わせろ!」というアルバムをリリースします。このアルバムは大沢誉志幸、泉谷しげる、佐藤隆、糸井重里、伊藤アキラ、小田雄一郎といった実力派メンバーが参加したかなり本格的な内容でした。

内容的にもたけしさんが本質的に持つ厭世観、世間への憎しみ、自己肯定感と否定との揺らめきが満載であり、上昇期のたけしさんの雰囲気が非常に高く感じられる一作でした。ただしかし、当時のたけしさんはいわゆる「ヨゴレ芸人」の見た目を存分に残しており、アイキャッチ画像がドアップになったジャケットのレコードを買うのは非常に恥ずかしかった覚えがあります。(笑)たけしさんが小綺麗になったのは世界まるごとHOWマッチで石坂浩二さんと共演し2人でCMに出るようになった頃からでしょうか。。。

その中でも、たけしさん作詞・泉谷しげるさん作曲の「夜につまずき」は私にとっては非常に共感できる1曲なのであります!たけしさんの曲と言えば「浅草キッド」が有名です。確かにあの曲は心を打つ名曲ではあるのですが、芸人の世界観がベースの歌であり、共感しうるにしても限界があるのです、私は一般人ですからね。

いつもの店といつもの煙、いつも相手といつもの話。「俺は人とは違うの」と違う同志で肩を組む。酒のつまみの人生論は家路の灯りで醒めてゆく。

夜につまずき裏道で転がり子供の泣き声で自分に気づく。生きてるだけの人生ならば何もこんなに酒を飲みはしない。酒をこんなに飲みはしない。

いつもの部屋のいつもの女、いつもの朝に外を見て。「俺は奴らと違うの」と同じ電車で揺られてく。恋のつまみの優しさは鏡の自分で醒めてゆく。

激しく生き抜く根性もなく、孤独に死んでく勇気もなしに。流れ流れて流れ流れて今日まで生きてきた。流れ流れて今日まで生きてきた。

この「夜につまずき」の世界観について『他人と群れて生きるのが苦手な人間が、〝自分は正しい、他の人間がみな間違っている”と他者を見下し続けることで何とか自己肯定感を保ってきたが、年を重ねるにつれて薄々自分も凡人であることに気づき始めやりきれなくなる。。。』と受け取っているのですが、自己愛が激しく他者とのコミュニケーションが苦手な私にとっては何ともはまる歌なのですよ。

今まで選択してきた自分の人生を否定したくはないが、否定せざるを得ないのでは?そうするのであれば一体俺はどうなるんだ!」と叫びたくなる気持ち。ダメな自分を受け入れるのは本当につらいことです。でももしそれを受け入れるのならば誰かそれを認めてほしい、そんな思いも詰まっていると思うのです。この曲は。これだけきつい思いをしていることを誰かが認めてくれればどれだけ気が楽になるか!激しいワードを多用するその裏にはそんな思いが詰まっているように聞こえます。

たけしさんの詞もいいですし、泉谷さんがつけた曲も本当にこの詞にマッチしています。お二人には悪いですが、どこか陰のある人間の心情というのは同じタイプの人でないと共感できないと思います。この曲、聴いていた当初も非常に印象深い曲だったのですが、最近改めて聴き、年を取ってからは更にこの曲の訴えたいことが分かるようになったとつくづく思いました。ですので、今回紹介させていただいた次第です。

私は〝文化人・たけし”よりも狂気と厭世観をどうにか一般社会とうまいことなじませて表現しようとしている危ない雰囲気のたけしさんが好きなのですよ。

そして、「狂気」といえば同アルバム内に収録している「信じあうことは」です。作詞は3人の外国人名となっており、それをたけしさんが訳した事になっています。そして当時のレコードでもこの曲の歌詞が文字には起こされておらず、現在でもネットで購入可能にもかかわらず、どのサイトにもこの曲の歌詞が文字に起こされた形跡はないのです。まあ、曲と言ってもピン芸人のミニコントを思わせる曲なので、その必要もないのかもしれませんが。。。。

今回、できる範囲で歌詞を文字に起こしてみました。しかしこの曲、後述しますが、サブリミナル効果が含まれたかなりヤバい曲だと思うのです。正直な話何度も連続して聞かないほうがいいと思います。。。。。

信じあうことは、素敵なことなのさ

「●銀の皆さん!保健所の◎沢です。最近この近所に新種の風邪が流行っております。この薬を飲んで、風邪の予防をしてください!

別に変った薬ではありません。私を信じて喉にためることなく一息に飲んでください。せ~の!ゴックン!私は無罪だ!

エブリバディ!教祖の●●-ンズです!皆さんは私と一緒にこの◎◎アナで神となるのです!聖なる水を一緒に飲もう!

どこに行くんだお前は!逃げる気か!撃て~っ!(ダダダダダ...)。。。。さあみんな、神となりましょう!ゴックン!

「皆様本日は当機をご利用いただきまして誠にありがとうございます。福岡発8◎◎便は間もなく東京国際空港に発着いたします。。。。」「ミドルマーカー通過!」

『●川君昨日は見事だったね』『機長!何をするんですか!やめてください!」(ガ~~ンン。。。)『あなた大丈夫ですか?』『私は会社員です、助けてください!』 

。。。。。この曲を聴いた当初は「変な曲だな~」というレベルですが、改めて聴いてもなんだか明るいテンポの中になぜだか不快感が湧いてくるのです。しかしまあ、某有名毒殺事件とか、亡国の宗教がらみの集団自殺とか、例の飛行機墜落とかそうとうヤバいネタのオンパレードですなあ。。。。

このアルバムをリリースして以降、たけしさんは何枚もアルバムを出しましたし、芸能活動は更にビッグになっていったのは皆さんご承知の通りですね。しかし私が記憶する限りこの曲が過去取り上げられて問題視されることはなかったと思うのです。信者もたくさんいましたが、アンチも多かったのに。。。。そして最近、この曲に関する興味深い記事を発見しました。

https://neet-the-world.com/show-business-news/kiitewaikenai-takeshi/

むむ、、、、この方の見立てに完全同意しますね。素晴らしい推理です。確かにこの曲、自殺示唆とも取れかねない曲だと思うのですよ。「信じあう」の言葉の「」を」」に変えるだけでそうなってしまうのです。チョイスしているネタすべて「死」に関する案件だし、この何とも言えないの~んびりした店舗で「信じあうことは」を連呼するのは逆に脳にスッと入って行ってしまう感があるのですね。

話を元に戻しますと、このアルバム「俺に歌わせろ」は自己肯定感を高めながらも、その逆今の自分に対する自己嫌悪もふんだんに感じられます。その中にこんな「死」に関するヤバい歌を入れ込んできたのもなんだか凄い仕掛けだな~と感じられずにおれないのです。どこまでたけしさんが計算されていたかは分かりませんが。。。。

世の中にはいわゆる「ヤバい歌」というのはたくさんあります。倫理的なものから等理由は様々ですね。美輪明宏さん、あのねのね、さだまさしさん、忌野清志郎さん、つボイノリオさん。。。。そんな曲は過去誰かが発掘してきたと思うのですが、この「信じあうことは」が未だ手つかずにしか思えないのはなんだか不思議ですね。たけしさんがビッグになりすぎたからでしょうか。。。。よく発売禁止にならなかったものです。

今回はこんなところです。誕生祝にしてはシュールな内容ですが(笑)この2曲については1回どこかで書いてみたかったのですよ。

それでは、また。

#ビートたけし

#俺に歌わせろ

#夜につまずき

#信じあうことは

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