こんにちは、みやけです。
表題は往年の名レスラー“ブレーキの壊れたダンプカー”スタン・ハンセンが語ったと言われる 名セリフです。
悲しい映画は嫌いだ!何故お金を払ってアンハッピーな気持ちにならなければいけないんだ!

最もインタビュー等で仰々しく話したセリフでは無く、試合の取材に来たプロレスマスコミと世間話をしている最中たまたま映画の話になり、このセリフを呟いたらしいのです。普通ならスルーされてしまうこの言葉ですが、取材元の週刊プロレス誌の名物元編集長のターザン山本氏がこの言葉を凄く気に入り、事あるごとに”ハンセンの人生観を象徴する名言”として頻繁に引用していたものでした。
正直私も若い頃はターザン氏の金言には散々振り回されたものです。怨念と憎しみで文章を構成した彼の文章について、今読み返してもほとんど心に刺さるものはないのですが、この言葉を唐突ににチョイスして世間に紹介してくれた事には大変感謝しています。
私はこの言葉の意味をこう捉えています。
「なぜ自ら好んでアンハッピーな気持ちになることが分かりきっているチョイスをするのか?気持ちはお金では取り戻せない。人生を楽しむにはハッピーな気持ちになるチョイスをすべきだ!」
記憶するに、確かハンセンは意図的に人生論を語ろうとしたわけではなく、ターザンと映画談義をしていた時に他意なくこの言葉を発したと記憶しています。でも老年になってもかつての牧歌的・開放的な雰囲気を失わず、マイペースで老後をエンジョイしているように見えるハンセンの言葉としてはとてもしっくりくるのです。私は人生を重ねるたびに「人は薄々良くない選択だとわかっていても、見栄や世間体、自分が悪く見られたくない、という思いから、無茶なチョイスをするものだとつくづく感じるようになりました。
この言葉は20代に聞きましたがその時もいい言葉と常々思っていました。でも大病をして人生観が変わり「病気の悪化でも、寿命であっても、全く関係ない事故であっても間違いなくいずれ自分は死ぬのだから、常にハッピーな気持ちになる方向を選択するべき。付き合いや身の丈にそぐわない選択をして態々アンハッピーな気持ちになるのは馬鹿げている。人生は常に楽しく生きるべき」そんな確信が固まり始めた私にとってこの言葉を改めて聞くと本当に含蓄のあるいい言葉だと思うのです。
人にはそれぞれ個性があり、好きなもの嫌いなものは人それぞれです。ハンセンが言うよう周囲からなんと言われようと、自分が本当に好きなものをチョイスすべきです。無理して好きでもないことをにしがみついていると、その反動で他人に絡んだり、いじめをしたり、意地悪をしたり、、、ロクでもない行動を起こすものなす。

ハンセンのファイトスタイルは単純明快。入場時はブルロープを振り回して群がる観客を蹴散らし颯爽と登場。必殺技は泣く子も黙るウエスタンラリアット!開放感に満ち溢れた分かりやすいスタイルであり、「お前ら俺を見に来て良かったろう?」という無言のメッセージが隠されていると思うのです。観客はハンセンが花道の奥から小走りで走って入場して来ただけで満足してしまうという稀有な存在のレスラーだったのです。正にプロレスが持つ開放感を体現しているレスラーなのです。

さてさて、ハンセンは現役を退いて20年近くの時が流れているのですが、その人気は未だ健在。定期的に来日しては各種プロレスイベントに参加されています。画像は2019年渋谷東急で開催されたトークイベントですが、私は病み上がりでしたが都合を合わせる事ができたので、久々にハンセンの勇姿を拝見する事が出来たのです。


内容は、ミスターハンセンの誠実な人柄が十分に感じさせられる内容でした。プロレスラーってベビーフェイス(正義の味方)は実は自己中でイカれた性格の選手が多くて、ヒール(悪役)は誠実な人柄の選手が多いと良く聞きます。そうでしょうねえ。。。ヒールは世界中を回りながらその土地の雰囲気に合わせてベビーフェイスを盛り立てるのが仕事なんですから。。。良い人じゃないとやれない仕事ですし、相手の感情を読み取るセンスも必要だと思います。
そして、この会で私は見も知らぬかたにとても気を使っていただきました。館内は超満員であり、最後の質問コーナーでは私もいい年してずっと高らかに質問の挙手をあげていたのですが、結局回ってくることはありませんでした。どうもその際私は相当がっかりした様子だったらしいのです。イベント終了後私は席を立ちトボトボと出口の物販コーナーのテーブルの前に並んでいたのですが、私の近くの席にいた男性が私に声をかけてくれたのです。
それは「ハンセンの奥さんのYさんと写真を撮りませんか?私がシャッターを押しますので」と言う驚きの言葉でした。その男性はある程度ハンセン夫妻とは面識があったのかもしれませんが、いいおっさんなのに指名されず落ち込んでいる私を見て気を遣っていただいたのでしょう。Y夫人も快く撮影に応じていただき、本当にいい思い出ができました。その際、この男性には満足にお礼を述べることもできなかったのですが、今でも感謝の気持ちは忘れていません。本当にありがとうございました。

思ってもいなかった病気に罹り、骨髄移植という大手術をうけ、その後の後遺症に苦しんだこの前年は正に地獄の1年でしたが、この年は本当にハッピーな事ばかりです。素晴らしい方ばかりと知り合えて私は本当に幸せ者でした。これ以降「ハンセンが言う様に、これからは自分が本当にやりたい事を迷わずにやっていこう」と思ったのですが、それが良い方良い方に回転して怖いくらいです。そう決心してよかったと思っています。
これからもハッピーであり続ける様、力強く生きて行きたいと思います。今日はこんなところです。それでは、また。
ちなみにハンセンとのツーショット、私のポーズはハンセンの師匠のテリー・ファンクのマネです!(笑)

ps:プロレステーマ曲研究家のコブラ様、このイベントに大遅刻した私を優しくフォロー頂き、大変感謝しております!この恩も忘れておりません!

#スタンハンセン
#昭和プロレス