こんにちは、みやけです。今回は久々に沢田研二さん作詞の名作セレクションの5回目を書いてみたいと思います。東京五輪開催が微妙な状況となっている中ジュリーはどんな想いなのでしょうか。。。。
まずは紹介するのは「ACB」です。2000年9月に発売されたアルバム「来タルベキ素敵」に収められた曲で、作曲は伊豆田洋之さん。このアルバム自体が名曲揃いの一作なのですが、その中でも屈指の名曲のこの歌。コンサートでも披露される確率が非常に高い歌です。
1900年代半ばからはテレビ番組の出演を極力セーブしてきたジュリーですが、2001年にそれを一部解禁。「うたばん」や「スマスマ」にも出演しましたが、久々出演の「ミュージックフェア」ではその時の新曲である「あの日は雨」を抑えて?「勝手にしやがれ」や「TOKIO」に交えてこの曲を熱唱しました。ジュリー自身もお気に入りの曲のようです。
歌詞は以下の内容です。
ACBという宝物さ!60年代の激動の時。華の東京、夢と同じで2度とは戻れないACBの話。
新宿は明治通り、甲州街道の交わる駅側「ボリューム」と「登り亭」の間の地下のジャズ喫茶で。今で言うところのライブハウス。やんちゃなネーちゃん、物知りで。
ACB新宿、銀座じゃなく、とても見やすいのよ、どの席でも。君たち関西?初めてでしょ、教えてあげたいな知らないこととか。
「トッポジージョ」流行ったね色んな人思い出すけど。「竹中労」いたっけね。音楽には関係ないけど。ガツンときた「カムイ外伝」なまり言葉笑われた。
ACBの頃、どんな時もすごい誘惑だった青春って苦い。自分の事で余裕無くて無責任だったね。怒ってもしょうがない、しょうがない!
物語はドキュメント記憶の数だけ謎は要らない。ACBの頃も醒めていたよ、歳は食ったけれど、相変わらずで。2000年でもくたばって無かった。驚いているのはこの僕なんだよ。
おめでとうなんだね、黙々と続けることしか信じられないんだ。ハピネスなら少し分かる。人の情けと笑顔今も変っちゃいない!
アップテンポの非常にノリの良い曲でありファンの評判も高い曲です。内容はお分かりかと思いますが、グループサウンド全盛時代のジュリーの想い出か綴った曲です。残念ながら私は1967年生まれであり、その時代の事は伝聞でしか分からず、完全に共感する事は出来ません。
でも曲後半の「2000年でもくたばって無かった」のフレーズには、骨髄移植を受けた私としてはグッと来てしまうのです。車の中でこの曲を聴く際は思わず一緒にシャウトしてしまうのです。ちなみにこの曲をコンサートで歌う際は、2000年の部分をその年に歌詞を置き換えて歌ってくれます。芸が細かいですね(笑)
そして次に紹介するのは「届かない花々」年2月にリリースされた「croquemadamu&hotcakes」といアルバムに収録された曲で、作曲は上久保純さんです。早速歌詞を紹介しますと。
世界中の花を全部集めユーモア添えて。届けてあげて声無き言葉愛の言葉を。feel!毒花にも良心があること。feel!枯れた花にさえ魂はあるということ。
歪なハートに光をあてて気づいて欲しい、誰でもピースなフェイスでいたいでしょ。病気のハートに水を下さい情があるなら。誰でもピースなフェイスで愛したい。届けて。
世界中の小鳥集めアイロニー込め、聞かせてあげてさえずり心の叫び。feel!鳥達にも気位があること。feel!堅い石にさえ運命があるということ。
小さなハートに手を差し伸べて包んで欲しい、誰でもピースなフェイスでいたいでしょ。凍えたハートに未来下さい余裕あるなら。誰でもピースなフェイスで生きていたい。
自由の女神よ、泣いているみたい。眠る神々よ、手を繋いで見て。震えるハートのブラインドあげて見つけて欲しい。誰でもピースなフェイスが好きだから。迷えるハートに道を教えて救いあるなら。誰でもピースなフェイスで愛されたいのに。世界中の届かない花々。
お気づきの方も多いかと思いますが、この曲、題名といい内容といい、あのSMAP の名曲「世界にひとつだけの花」を思わせるものがあります。ちなみ世界にひとつだけの花はこの曲の2年ほど前に先にアルバムで発表されたものです。もちろん、私が「ジュリーがマッキーの名曲を拝借した」なんてバカな推測をしたいのではありません。ジュリーは1999年のコンサート中のロングトークにて「今自分はどんどん活動をコンパクト化している」と語っています。作詞活動も自分の訴えたい事を純粋に表現していると思います。
但し、ほぼ同じ時期に同じような曲が作成されたのは不思議なものだと思います。そしてよくよく検証すると、ジュリーの曲は細部ではジュリーらしいワードが駆使され、彼の世界観がよく出ている強いメッセージソングだと思うのです。
ちなみにこの「届かない花々」、一時期老人介護サービスのCMソングとして採用され、長期間ラジオで流されたそうです。ですので記憶にある方もいらっしゃる方もいるかもしれません。
2000年代初頭のジュリーの曲はこのようなメッセージソングや生活・人生に想いを募らせる歌が多く共感できるものが多いのです。それ故に、今年リリースされた新曲もまた近年のシングルの流れを組む曲であったのは少し残念な気もするのです。
長い間この流れが続いていますので、そろそろ別視点からの作詞も欲しいな、そう思わずにはいられないのです。
今日はこんなところです。それでは、また。
#沢田研二