〜CHANCE&サーモスタットな夏〜 沢田研二 作詞・作曲 名作セレクション その9  勝負に出たジュリー

こんにちは、みやけです。

沢田研二さん自身が作詞・作曲した名曲シリーズの9回目です。

今回はシングルカットされた『CHANCE』と『サーモスタットな夏』を紹介させていただきます。

まず『CHANCE』。1987年11月16日リリース。作詞は松本一起さん。作曲はジュリーです。オリコン最高位は32位で、全曲STEPPIN STONEが100位以内にも入らなかった事を考えれば 、かなり売上を挽回した曲なのです。

後述しますが、側から見てもこの曲の宣伝活動はかなり積極的に行われており、今でも映像がたくさん残されている曲です。

ただしかし、「オレたちひょうきん族」の「ひょうきんベストテン」でのりお氏やアダモちゃんに取り囲まれ、衣装付きでモノマネされる中で普通に歌っているジュリーは、高校生の私でも少し悲しい気持ちになりましたが。。。。

作詞はジュリーではありませんが、詞を文字に起こして見たいと思います。一番だけですが。。。

金曜日の夜が始まりまた俺は一人になった。

着飾ったショウウインドウに横目でウインク、ついてないのさ。

地下鉄から駆け上がる顔、高級車乗り回す顔。

ふと思う逆の立場を。どこで自分は間違えたのか?

時代は夢を見せてwineだけ躍らせる。

いつも一緒に酔ってOH MY GOD身を引く罰当たり。

俺のボスは「チャンス」あんたなのさ。今に上手くいくと彼女を待たせている。

俺のボスは「チャンス」あんただけさ。愛は言葉じゃない、手にダイヤモンド!

この年のジュリーは「きわどい季節」「STEPPIN STONES」共に総レコード売上1万枚を切っており、尚且つ前曲は1週もオリコンベスト100位にも入らなかったのは相当な屈辱であったと思いますし、事務所サイドも相当な危機感を覚えたのではないでしょうか?

1985年よりメンバーを一新したバックバンド「CO-CO-LO」を引き連れ、時代に逆行する様なAORサウンドを突き詰めようとしたのですが、「昔の名前」がここまで通じないものなのか?少なくとも当時の私はそう思いました。

渡辺プロから独立し、離婚問題でマスコミと対立したのが原因かもしれませんが、この3年間でジュリーがテレビ番組に出るのは本当に減ってしまいました。

当時は出演情報をネットで検索することも出来ませんから、気がついたら番組出演が終わっていた、なんて事もよくありました。30分番組だと新聞のラテ欄にも掲載されない存在になってしまっていたのです。

更には、又聞きではありますが、co-co-loとの信頼関係も 徐々に希薄になって行ったという噂もあります。実績のあるベテラン揃いの面子ですが、向上心という点でジュリーが我慢ならなかったとか、レコーディング中やたらタバコ休憩が多かったとか。。。。

でも「かつてのジュリーをもう一度!」とばかりに、比較的世間に受け入れやすい歌詞を用意し、衣装も派手な黄色のスーツに黒の山高帽にタートルネック、曲の途中で札束をばら撒くパフィーマンスと、復活の意気込みは大いに感じられました。  

しかし、思った程セールスは伸びませんでした。オリコン32位で初登場しましたが、翌週から直ぐに順位を落とし、1ヶ月でベスト100圏外となってしまいました。私も本当に悔しかった思いがあります。事務所も辛抱強くプッシュしており、年が明けてもこの曲は頻繁にテレビ番組で歌われていましたが。。。。

でもですね、この曲の完成度はとても高いと思うのです。そして非常に高いキーで歌うジュリー!是非この曲をカラオケで歌ってみてください!そうそう歌えるものではありませんから。鍛えられた喉の強さと歌唱力があってこそ!プロでも簡単に歌える曲では無いと思うのです。

ただしかし、co-co-lo 時代の曲って最近のコンサートではほとんど歌ってはくれないのですね。何か嫌な思い出があるのか。。。82曲を歌ったジュリー祭りでも2曲のみ。。。ですから2年前のデビュー50周年記念コンサートで「灰とダイヤモンド」と「CHANCE」が歌われたときは本当に嬉しかった!

しかも当時のキーで!流石ジュリーです。そして「これを聴けるのはもう最後なのだろうな」と感慨にふけりながら傾聴しました。ありがとう!ジュリー!

そして2つ目の曲『サーモスタットな夏』です。

1996年8月27日に63枚目のシングルとしてリリース。作詞はジュリー。作曲は一時ジャズマスターのキーボードを任されていた朝本浩文さんです。とってもノリのいい軽快な曲で、ジュリーの歌での“夏歌”と言えば「ダーリング」とこの曲だな、勝手に思っていますw。

詞を文字に起こしてみます。

WILD WILD WILD! LOVE &PEACE

ZOOM ZOOM ZOOM! サーモスタットな夏

WILD WILD WILD! FIRE&ICE

BOOM BOOM BOOM サーモスタットな夏

どんなに待ち焦がれたって夢だよ。そんなに熱くなったら恋なんだ。

常夏はどこ夏、今年も暖冬さ、ワイルドブルー&シーガイヤ!

彼女のハートには「愛す!」が重要さ、ボディを冷やさなくちゃ!

僕がドクターで君がナースなんだ、2人阿吽の呼吸!

JUMP JUMP JUMP!Rose &peach

ZOOM ZOOM ZOOM サーモスタットな夏

JUMP JUMP JUMP!learn&teach

BOOM BOOM BOOM サーモスタットな夏

こんなにたのし過ぎちゃ幻だよ。シャイな後ろ姿に目眩がする

フルーティーなフルボトル、毎日が乾杯、パリ&グレイトバリアリーフ!

彼女のコスモには安堵が不可欠だパワーを温めなくちゃ!

僕の頭脳の中ゼンマイが伸びている、一瞬、、、君は誰?彼!

君のジェラシーにはシカトを決めてやれエナジーを大切にしよう。

 僕の夢の中みんな阿吽でアッチッチ!

ジュリーの作詞曲としたら珍しくストレートな歌詞で、ひたすら夏のワードを連呼するというパターンの歌ですね。基本的には人の心の内面をエグる歌が多いのでとても新鮮なのです。

ジュリー自身も好きな曲だと思います。コンサートのセトリに入る確率は高いですし、いつもピョンピョン飛び跳ねて楽しそうに歌っていますから。。。

しかし、年齢のことを考えればこの手の曲、「君のキレイのために」とか「気になるおまえ」とかはもう聞く機会はないのかなあ、と寂しく思います。これらの曲ももう何年も歌ってないですしね。




そしてこの曲もまた大きなヒットには至りませんでした。残念でした。ジュリーのファンの方なら、彼がバックダンサーを従えて歌う歌はほとんど無いのはご存知でしょうが、この曲は『BOKEBOKEシスターズ』というユニットがバックで踊って合いの手を入れているのです。

そして大変申し訳ないのですが、なんか微妙なお姉様方。。。。失礼しました!

ジュリーは80半ばまで歌うつもりの様ですが、最近のセトリを見てもバラード中心になりつつあります。もう1度アップテンポの曲は聞くことが出来るのか?今の体制で。非常に気になるところです。

今日はこんなところです。それでは、また。

#沢田研二

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