沢田研二 私的名作コレクション 〜THE VANITY FACTORY を和訳してみた〜

こんにちは、みやけです。

今回は私が推薦する沢田研二さんの名作シリーズの2回目です。“THEVANITY FACTORY ”“Red Summer”を紹介させて頂きます!

“THE VANITY FACTORY ”は1980年にリリースされたアルバム“G.S. I LOVE YOU”に収録されている曲です。作詞・作曲とも佐野元春さんです。ジュリーファンなら大半の方がご存知であろうし、評価も非常に高い、アルバム曲としてはおそらく5本の指に入るであろう名曲だと思います。

まあとにかくカッコイイ曲なのです!佐野元春さんがデビューしたての頃に提供された曲なのですが、ジュリーの退廃的な雰囲気と非常にマッチしており、その他にも“彼女はデリケート”“すべてはこの夜に“等の名曲を提供しており、それらもまたジュリーにピッタリハマった曲達でした。

過去幾多の有名ミュージシャンがジュリーに曲を提供しておりますが、佐野さんが1番ハマっていた!と私は信じて止みません!早速この曲の詞を文字起こししてみたいと思います。

オフィスの窓にもたれて、ブラインドを少しずらして、水曜日の夕暮れを静かに吸い込むのさ。

部屋の中ではルームエアコン、悲しげな音を立てて、遠くのどこかで車のクラクション、ブルートワイライト。

THE VANITY FACTORY! 1月の夜が静かに降りてくる。

THE VANITY FACTORY!間の抜けた街のジャズに合わせてリズムをとるのはもうやめさ!

No!No!No!THE VANITY FACTORY!

手頃なバーを探して、不確かな恋に崩れて、ラムネ色の月影をグラスに注いだ夜。

夢に喋りかけてくるバーテンダー、受話器を俺の前に置けば、ピアノのソロから滑り出した、“When Sunny gets Blue ”

THE VANITY FACTORY! 1月の夜が静かに降りてくる。

THE VANITY FACTORY! この街並みの一角でさえ抱きしめてやる事もできず!

No!No!No!THE VANITY FACTORY!

自分自身が見ている光景をただただ客観的に羅列しつつも、そのクールな状況が容易に浮かんでくるという、デビュー直後でありながら、佐野元春ワールド全開の曲です。

但し私はこの曲を聞いた学生時代からずっと思っていた事があるのです。「THE VANITY FACTORYってどう意味なんだろう?」という事なのです。当時辞典を引いて訳する限りでは、、factory は勿論「工場」と訳しました。問題はvanityですが、記憶する限りは「虚栄心」「見えはり」というような意味であったと思います。という事で『虚栄工場』と自分なりに訳していました。。。。意味不明でしたが、、、、

その後、40年時は過ぎましたが、この曲名の意味は良く分らないままでした。でも雰囲気があまりにかっこいいので意味は分からなくとも聴いていたのです。年齢も重ね、世間の甘さ酸っぱさも良く分るようになったwこの年になりもう一度腰を据えて意味を考えて見ることにしました。

検索をかけたところ、、、、

と出てきたのですが、3のバニティケースは無いにしても「虚栄心」なのか「むなしさ」なのかは判断が分かれるところです。

ちょっと視点を変えることにしました。工場とはいわゆる「生産工場」の意味ではなく、工場の生産ラインのように「自ら脱出しなければ自動的に繰り返される日々の生活」という比喩なのではないでしょうか?そうだとするとVanityという単語によくハマるのです。

ではVanityとはどちらかの意味なのか?私は何度も何度もか考え直したのですが、イラストの1も2も両方の意味を兼ねているのではないかと思いました。元々退廃的な言葉です。

ですので、大意としては『見た目は何不自由ない快適な生活の繰り返し、しかしそれは虚しいものである』という所でしょうか?そのあたりを踏まえて、この曲を和訳するならば、

連呼される「街」というワードも日々の生活を比喩した物ではないでしょうか?

『平和と怒りの日常』

としてみましたが如何でしょうか? 

作者の心の中には平和より破壊、創作を求める気持ちが強いのではないかと。。。

しかしですね、1番から2番の歌詞の途中までは、ありきたりな日常にイライラしてゆく心情が読み取れるのですが、2番のサビの部分から何かが変わり始めるのです。

1月とかどんな意味なのか?それは年の初め、物事の始まり。そして夜、それは1日の終焉を迎える象徴。。。。そしてこの曲を作ったのが若き日の佐野元春。

とどのつまりは「退屈な日曜を送りイライラ悶々と怒りをためていた若き日の佐野さん自身が”俺はこんなことをしていていいのか、また今日も無駄に時を過ごしてしまった!これではだめだ!今から未知の世界へ飛び立つぞ!」と決意表明した歌ではなかったかと思うのです!いかがでしょうか?

現状維持にとどまらないジュリーにもこの歌が似合うのも分かるのですよ。

さて次に全く違う雰囲気の歌を紹介したいと思います。“Red Summer”。1979年に発表されたコカ・コーラのRedSummerキャンペーンのテーマソングです。おそらくこの歌が歌番組で披露される事はなかったと思いますが、1982年に発売された“CMソングコレクション”というカセット!(レコードでの発売は無し!)に収録されています。

作詞はマノまことさん、作曲は大野克夫さんです。残念ながら映像はありません。音声だけでお楽しみください。

数々のCMに出演したジュリーですが、意外にこのようなキャンペーンソング、パッと聞いた感じに重点を置くCMには出ていないような気もするのです。シングルカットされる曲もまた然り。それで思いつく曲といえば、、、OH!ギャルくらいかなあ。。。。

この曲は主にラジオを中心に流れていた曲だと記憶していますが、キャンペーン期間が終わるともう一切聴く機会はなかったように思います。しかし聴いて頂ければお分かりかと思いますが、夏とコカ・コーラのイメージにとてもあったノリのいい曲であり、もっともっと世間にも広まって貰いたかったと思います。

ジュリーのCMソングとしては“あなたに今夜はワインをふりかけ”が別格中の別格的な存在ではありますが、その他にも“アルファクリエーション”“I am I 俺は俺”“素敵な気分になってくれ”等かなりの名曲が多いのですが、この辺りが尽くアルバムに収録されていないのがなんとも惜しい!

今日はこんなところです。

このシリーズはこんな感じで続けていきたいと思います。それでは、また。

#沢田研二

#佐野元春

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