認知症により持ち家売却とウクライナ問題

こんにちは、みやけです。今回は私の身内の「住」に関する話をしてみたいと思います。

まず、私の妻の母親・義母についての話です。義母は鹿児島に住んでいます。以前ブログにも書きましたが、認知症が少しずつですが進行してきたため今年の春に、今住んでいるマンションの部屋を売却し施設に入ることを家族会議で決めたのです。もちろん私はその話し合いに入ることはありませんが。

いろいろとすったもんだがありましたが、この度ようやく義母自身が住んでいるマンションの売却のめどがついたのです。半年近くの間、色々と大変でした。義母はバツイチの義理の妹と一緒にこのマンションにウン十年住んでいました。1年半前に認知症と判断されたのですが、程度は極めて軽く、物忘れが激しい以外は普通の生活を送れていました。しかし少しずつですが症状が悪化し、義妹も健康状態がいいほうではないので、介護に限界を感じ、義母・妻・義妹との間で家族会議が行われ、「義妹は独立して一人暮らし、義母は自身のマンションの部屋を売却してそのお金を元手に施設に入る」という事で話がまとまったのです。

義母は親類の借金の保証人になってしまい結局それを被ることになった過去があるのです。幸いにも長年ある組織で正社員として働き続けたため自身が窮地に陥るという事は無かったのですが、預貯金はそれほど多くはできなかったのです。そしてその手続きに動き始めた直後「認知症患者は自身の不動産の売却等の取引行為はできない」という法律の壁にぶち当たってしまったのです。「ある程度施設を絞り込んでおいて、マンションの売却が実現出来そうなタイミングで施設に入る」という目論見は大きく崩れることになりました。

加えて義妹の体調もそれほどいい状況ではなかったので、いっそ福岡在住の私の妻が成年後見人になって動いて情報収集し、義母も福岡の施設に入った方がいいのではないか?と思い、裁判所や、この件について教えてくれる市町村の窓口に何度も通い、成年後見になるための情報収集に励みました。そして同時進行で福岡県内の老老健施設への見学・面談も10回近く行いました。コロナ過の為、大半は施設の隅々までの確認は行えませんでしたが、それでも自身の今後の事を考えれば大変有意義だったと思います。

いずれマンションが売却できれば、その資金を施設の料金の不足分にあてはめられますが、入居が先になった場合現在の年金のみでやりくりせねばなりません。若干の負債もありますので、価格的にボトムプライス(最安値)の施設を主に探しました。例えて申し訳ないですが、おそらく生活保護受給者や、国民年金のみ、それも満額需給でない方が入るであろう施設です。それでも金額はもろもろ係るすべての金額を合算しても月10~12万かかります。

義母はその金額なら何とかなるのですが、もし入居するとなるとやはり環境的には厳しいものがありましたね。交通の便が非常に悪いところにあるので、「来訪可」でも行こうという気には早々ならない気がしました。施設は結構小綺麗なところが多かったのですが、田舎の割には非常に面積が狭い。入居者も狭そうに思えましたが、私にはそこで働く医療従事者の方の休憩スペースとか収納スペースがあまりにもコンパクトなので、その部分が非常に気の毒に思いました。現場を見て介護の大変さをつくづく感じました。

これがもし国民年金のみの人だったら最大でも月6万5000円なわけです。自営業者とかはそうなる訳ですが、中高年になって体を壊したりして自分の貯金がほぼなかったりしたら、もうそういう施設に入るのはアウトな訳です。そうなると普通に考えて老後に施設に入るとなったらボトムプライスでも確実に月13~14万の収入は必要な訳であり、薄々は感じていましたがその金額を現実に確認するとかなり身に沁みますね。預貯金をあてにしないのなら厚生年金加入者でも月20万近くは年金支給額がないとそこそこの施設に入るのは難しくなるわけです。

ちょっと話がそれましたが、義母の話に戻ります。妻が成年後後見人になった場合、仮に義母が福岡の施設に入所するようになった場合でも現地との往復を含め色々な不都合が生じます。そのため、別の方法を取れないか模索してきたのですが、かなり端折って書くと「司法書士との面談で認知症の程度が軽度と判断されれば売買可能」という事です。これ以外にももっとこまごました事を行わねばなりませんが。これをもとに、9月上旬に面談が行われ、先日「可能」という判断になり、ようやく不動産業者との売却話を進められるようになりました。

しかし一難去ってまた一難、現在のマンション売買市場って、すごく停滞しているんですよ。その原因はコロナ問題ではなくウクライナ問題なんです。もちろんこの問題はロシアの一方的な軍事侵攻が原因でありウクライナは被害者でしかないのですが、日本はこのエリアから「建築資材」をかなり輸入していたのです。しかし戦争により建築資材の供給が大幅に減り価格は高騰。7月頃にいったん義母のマンションのリフォーム代を算出してもらったのですが、3LDKをやりかえるとなんと700万かかるとか。。。。

義母のマンションはそこそこの築年数が経っている為、売却できたとしても額は1000万行くか行かないか、というラインだったようですが、このリフォーム代だと下手すると赤字!憂鬱な気持ちを抱えたまま、成年後見人手続きを進めていたわけです。しかし戦争から半年近く経過しこの業界の状況も変わってきたようです。

他の県がそうなのかは分からないのですが、鹿児島エリアは新築マンションのあまりの金額の高さに購入層が中古に移行し始めているらしいのです。新築よりまだ値上げ幅が少ない、という事らしくて。ですので、リフォーム代はなんとか低額に抑えられそうになってきたらしいのです。500万はいかないだろうとか。。。

そして義母、義妹、妻との協議で、結局は義母の施設は地元鹿児島で探すという事になりました。不動産売買担当は2女となり、施設調査は妻の担当になりました。夏からずっと福岡の調査・視察も行ってきたので知識も増えましたので。

その後の情報では、マンションもなんとか売却出来そうな手ごたえがあり、義母にも売却益を残してあげられそうです。これからは施設の絞込みという大仕事が残っています。私も、妻もこの半年は慣れない作業に時間を大きく注ぎ大変でしたがあともうひと分張り!

施設に入れば入ったでいろいろと大変なことはあるのでしょうが、まずはひとつの区切りをつけることができます。なにやら実施されるらしい「旅行割り」をフル活用して年末は福岡と鹿児島を頻繁に往復する日々になりそうです。

そしてついでに片付けてしまおうと考えたのが、自分自身の実家の名義変更です。私の実家は母が一人で住んでいるのですが、6年ほど前に亡くなった父の名義のままなのです。遺産相続に関しては4年ほど前に私が音頭を取って、貯金のみの分割協議書を作成即振り分け実行しました。土地については母の一人暮らしが不能になった際に売却し、売却益の分割を法律に従って行う、という書類を別途作成しました。

実家は結構老朽化が激しいのですが、母は思い入れが深いこの家にギリギリまで住みたいようで、「だとしたら売却はかなり先になりそうなので、面倒くさい手続きはそのときで良いか?」という感じでした。母は病院で何度も検査はしていますが、特に認知症の症状は確認されていません。

しかしそうは言っても、母はもう82です。認知症だけでなくこれから何があるかわかりません。実家も名義変更をしようと思い、ある程度母と弟の同意を得てから以前分割協議書を作成した司法書士のところに相談に行きました。その先生の見解では「この状況で父→母の名義変更を行うのはあまり意味がないのでは?何年か後には必ずまた母→息子たちへの名義変更が発生するのだから」という事でした。

よく考えればもっともな話です。名義を父→息子(私でも弟でもどちらでもいいのですが)にしておいて、「売却の判断は母の意向が最優先」であることを再確認し、何かが生じたときに代理で売買行為を実行できる人間を指定し書面化しておけばいいのです。

この件については、父が亡くなった際、名義については自分から動こうとしなかった母に責任があるかと思います。「最後まで家を守る」という言葉は聞こえは良いのですが、それならば後の世代に迷惑をかけないよう「もしも」が起こったときについては事前準備をしておくべき。時間はいくらでもあるのですから。

結局、私は説明のしかたによっては不信感を招かれない嫌な役目を背負うことになりました。そりゃ、いきなり「名義変更は母ではなく自分に」と急に言い出したら「老いた母親から身包み剥ごうというのか!」とへそを曲げかねません。でもまあついでです。身体は元気ですが、耳が相当遠くなっているので説明がまた厄介なのですが。。。。

最近は70歳超えの高齢の経営者が次々色々な理由で逮捕されています。見苦しいにもほどがあります。どうも自分自身の「老い」についてはどんな偉い人でもなかなか性格には認識できないようです。いや、むしろえらい人ほど直視しようとはしていない気がします。

私は偉い人でも金持ちでもないですが、少なくとも後の世代の迷惑をかけることの無いよう、自分をよく見つめた老後を送りたいと思っています。あ、もう老後かもしれませんが。

今日はこんなところです。それでは、また。

#認知症不動産売却

#成年後見人

#物価高騰

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