こんばんは。CMBOです。
今回は移植後の数値の推移についての話です。
移植を受けた患者がまず目指すのは『生着』。
簡単に言えば移植した骨髄が患者に根付き、造血活動が開始されたと医者が判断することです。基準とする数値は色々貼るようですが、ここでは省略。
生着となれば通常各種血液数値も基準値に近くなり、輸血の頻度も減ります。
退院に向けて大きく前進する訳です。
ただし、生着=完治なんて言う訳では全くありません。
その後のGVHDとの戦いが移植患者の後半の試練です。さらに尚、この生着自体がなされない可能性が稀にあるようなのです。
可能性は3%くらいとか。これを『生着不全』と呼ぶのですが、せっかく移植したのに骨髄が自身の身体に根付いてくれない訳です。
また、一旦生着しながらもしばらくして生着不全になることもあるようです。
移植から生着までどれくらいの時間がかかるかと言うと、約2〜3週間くらいとのこと。ただし、私の行なった末梢血幹細胞移植では2週間程度のようです。
私は2週間で生着させる!と心の中でイメージし、担当医や看護師にも宣言しました。全く意味のない宣言なんですが(笑)
下の写真は移植後5日暮らしての血液検査の結果です。

ヘモグロビンも計測を始めて以来最低。(7を切ると輸血してました)。
白血球・血小板も同様です。免疫力はほぼ0に近いですし、出血も許されない状況。
いまでもそうですが、郵便物の開封で手を切ったり、無意識に皮膚をかきむしることもしないよう十二分に警戒しておりました。

次が2日後の検査結果。あまり変化なし。白血球も平行線。
これは少しだけ新しい白血球が生成された訳ではなく前のが残っているのだろうと先生が見立てました。いくら抗がん治療を行っても白血球を0にするのは相当難しいようです。しかし新たな白血球が生成すればその白血球が残存勢力を身体の異物とみなして退治してくれるのです。
とにかくこの時期は他から病原菌を貰ってくるのが一番怖いので、シャワー以外は部屋の外へも一切出ず(というかフロア内以外外出禁止でしたが)、妻がお見舞いに来ても適度の距離を取り必要最低限の会話で済ませていました。

それから4日目の数値。若干数値が上がって来ているのが確認できます。
特にヘモグロビンは輸血した翌日の計測ということもあってか、まずまずの数値。
検査後即輸血が無かった始めての経験でした。
ただし担当医が一番見ていたのは血小板でした。まだまだ低いですからね。
そして担当医も看護師さん達も「この流れだと次回あたりでグッと上がってくる!」と言ってくれました。生着も期待していい頃だとのことです。
この時点で移植から約12日。
自分自身でもそろそろだと思っていましたし、体の各種不調はあれどチーフおよび担当医口を揃えて「経過は極めて順調」と言ってくれていたので、何か「おそらく自分は助かるな」という予感めいたものがありました。
肉体的には前に書いたような、味覚障害・口内炎・咳の真っ最中でしたが、それでも数値が悪くないという心の支えがあったので希望を持って治療に取り組むことができました。
最後に頭髪他体毛の話です。「そんなもの聞きたくない!」と思う方がいるかもしれませんが、我慢して聞いてください。(笑)
頭髪は結構しぶとく残っていましたが、一番上の血液検査の日あたりからボロボロ抜け始め、1週間もしないうちに7割方抜けました。
でも一部長い髪の毛がポツポツ残っているのでかなり変な感じでした。
抜け毛がシャワー室やベッドに散らかるのが嫌なのでこのあたりからニット帽を被って生活するようになりました。
ニット帽は市販のもの使っていたのですが、結構厚手の記事だったので
時期がら蒸れてしまう。。。見兼ねた妻が趣味裁縫をやっていたので自作でニット帽を作って来てくれました。

これが3つ作った貰ったうちの1作。私が猫好きだからこんなポイントを入れてもらいました。50過ぎのおっさんが被るには少し気恥ずかしい
デザインですが、意外にウケるかもと思って堂々被っていたら、いつも冗談話をしてくれた看護師のBさんが「可愛い!癒される!」
とえらくウケてくれて、調子に乗った私は寝るときもこれ見よがしに被っていました。困った患者です(笑)。
でもこんな小さなことにも楽しさを見つけて過ごせたことが楽しく入院生活を送る秘訣かな?と思いました。ちなみにこのケア帽子、他の看護師さんから
も好評だったので、妻は自信をつけ更に何枚も作成し腕を上げ、いまではメルカリ専用にケア帽子を作成し作るたびに購入者が来てくれる状況です。
さて、毛の話に戻りますと、髭は一旦全く生えてこなくなりましたが、移植後1ヶ月後あたりからポツポツと生え始め、現時点で「1日くらい剃る必要はないが、やはり剃っといた方がいい」レベルです。
分かりにくいですが。私としてはもう髭は生えてこなくてもよかったのですが。
あとシモの毛は頭髪と同じ時期に全て無くなりましたが、割と早めにうっすら生え始めました。現状ちょっと薄いかな?レベルです。
意外だったのは腕とスネの毛。私は両方とも濃い方なのですが、若干は落ちたもののすぐに生え始め、いまでは移植前とそう変わらない状況です。
これは一番いらない毛だったのですが。。。。。
血液検査の話に戻りますと、次の検査で話の通りにグッと数値が上がりました。
ただ、どこかのブログで「各種激痛に悩まされていても、突然ある日朝起きた瞬間に全ての痛みから解放されていた」というのがありましたが、ついぞそんな場面はありませんでした。この瞬間はぜひ味わいたかったのですが(笑)
続きは次回に。
それでは、また。
※この妻の作成したケア帽子ですが、その後も作り続けずいぶん腕も上達し、毎月12点前後メルカリに出品、売れ残った作品は1枚もなく、大変ご好評いただいております。夫婦共々がん患者さんのお役に立てれば、と思って出品しております。
