(30) 頑張ったきゃなちゃん

おはようございます、
CMBOです。今回の内容、書こうかどうか迷ったのですが入院中私が気にしていた方々の話です。

私が入院して1週間くらいして、Mさんという20代前半くらいの屈強な男性が無菌室に入院してきました。私の2つ斜め目の部屋でしたので会話はしませんでしたが、その姿はよく見かけました。体重は125キロ超。
なんで知っているかというと、その棟では各個人毎週決まった日に備付けのリストに自分の体重を記入するようになっており、見ようと思えば人の体重が丸分かりだったからです。(あ、個人情報ですね!スイマセン!)

Mさんはおおらかな印象の男性で、シャワー室が自分の部屋のすぐ正面にあった為か、よく上半身裸で下は短パン姿のまま部屋とシャワー室を往き来して看護師さんからはたしなめられていました。ただし、体重が100キロ強あるのであれば、移植のドナーさんを確保するのは相当厳しいのでは?と勝手に憂慮していました。

しかし、Mさん。入院して10日くらいすると周辺の状況が大きく変わってきました。

ほとんど廊下に姿を現さなくなる。体重も記載されなくなる。

(おそらく)両親が入れ替わり毎日お見舞いに来るようになり、
早朝から21時頃までいる。

同年代の見舞客が、面会時間以外に大量に訪れるようになる。

部屋の電気が消えたままになり、担当医がつきっきりで部屋にいる。

明らかに何か異変が起こっている感じでした。仲のいい看護師さんにそれとなく様子を聞いて見ましたが流石に詳細は教えてくれませんでした。
ただ、お見舞いにこられた両親はいつも病室の外の扉のすぐそばに椅子をおき、肩を落として呆然としてましたので、「なんとかいい方向に向かえばいいんだが」と私も案じていました。

しかし、大勢の友人達の見舞いから10日もしないうちにMさんの部屋から気配がしなくなり、担当医も部屋から離れるようになり、ご両親の方々がいろいろな関係者の方々に頭を下げて回っているのを見ると辛い結果が来たのだなと本当に残念に思いました。全てが推測ではあるのですが、私も太りすぎて移植を危ぶまれていたので、彼にシンパシーを感じていました。

しかし、おそらく私と半分くらいの歳の患者があっという間にこんな結果になるのは我ながら辛かったです。段々と自分の体が蝕まれていく中、どんな思いでいたのかと思うと。。。。この方のお見舞いは男性も女性もきており、一斉に病室には入れないので一部は喫茶ルームで時間を潰していました。
その会話を聞いているとMさんはイメージ通りの「気は優しくて力持ち」という方だったように思えます。

実際の結果はどうだったかわからないのですが、私も病室でひとり手を合わせました。

もう一人血液疾患で印象深い方がいました。「きゃなちゃん」という20代半ばの女の子です。私の妻が他のガン患者のtwitterブログを色々探している際にたどり着きました。私と同じ骨髄異形成症候群(MDS)でした。
骨髄バンクに登録しているもののドナーさんが全くいないようで、かなり状況的に厳しいものだったように思います。

私はすぐフォローさせてもらうと、すぐあちらもフォローしてくれたので、直で治療情報のやりとりや励ましの言葉をかけてあげました。きゃなちゃんは文面を見る限りとても屈託のない女の子で周囲の誰からも愛される人間だったように思えます。

ただ、彼女は抗がん治療の副作用がかなり大きく、ほとんど入院しっぱなしのようでした。大きな問題として血小板が極端に少なく、輸血や注射を打つにしてもその度血が吹き出して止まらなくなるという深刻な状況だったようです。
その他高熱等でしばらく書き込みが中断することが何度もありましたが、きゃなちゃんはそれでもたまにはユーモラスに、たまには思いっきり自分の辛い状況を叫びながらツイートを続けてくれました。フォロワーの方々もいつも書き込みがあると直ぐに反応されていました。

しかし、きゃなちゃんの書き込みは昨年の6月12日以降ストップしたままになりました。2ヶ月を超えても更新されません。そんなに長い間ストップ
したことはなかったので妻とともにとても心配していたのですが、9月12日に以下の書き込みがなされていることに数日立って気がつきました。

IMG-1274

きゃなちゃんの妹さんからの書き込みでした。
正直予想はしていたのですが、辛い結果になってしまったようです。このツイートを見た瞬間、私は絶句するしかありませんでした。

きゃなちゃんのツイートは今でも見ることができます。
その中には相当に辛かったであろう治療の状況が詳しく綴られています。
でも何かこう明るい文面に救いを感じさせるものがあります。
本当によく頑張ったねと褒めてあげたいですよ。このブログを見られた方もぜひ見られて見てください。そしてきゃなちゃん、空の上でアイスを食べながら家族や他の患者さんを見守ってあげてください。

きゃなちゃんの妹さん、辛い中しっかりとしたご報告ありがとうございました。
心からお礼を言わせていただきます。

血液疾患でなく、他のガン、その他の難病で苦しい治療を送っている皆さんは、最終的に辛い閣下になった話を聞くのは嫌なものなのでしょうか?
この章を書くことはとても迷ったのですが、どうしても文として残したくて書くことにしました。

今日はこんなところです。

それでは、また。

#骨髄移植

#骨髄異形成症候群

#きゃなちゃん

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