こんにちは、みやけです。今回も沢田研二さんの話。2月23日に福岡市民会館で開催されたライブに私めも参戦したのですが、前回はMCの内容を書かせていただきました。今回は歌、その他モロモロについての私の感想を目名一杯書かせていただきます!

まず、約1年ぶりに拝ませて頂いたジュリーの容姿、明らかに痩せてシュッとされてましたね。私の席は25列目でちょうど真ん中あたりでしたので表情までは分からなかったのですが、病的に痩せた感は全くなく普通に一回り小さくなった感がありました。「断酒している」とのことなのでそれの好結果でしょうね。還暦ライブ前でも同様でしたがいずれにせよこちらもうれしくなりあすよね。
外観ですが、ヘアスタイルはオールバックぽくしており、前半は黒のサングラス使用。白、もしくはベージュっぽうオーソドックスなスーツ(ジャケット?)ですが、奇をてらった訳ではない清潔感のあるタイプのもので70代半ばの後期高齢者の着こなしとは思えない若々しいものでした。(細部は違うかも知れません!)

そして特筆すべきはあの色っぽい「声」の健在ぶりです。まず最初にお断りしましすと贔屓の引き倒しみたいに「全盛時と全く変わっていない!」などと非現実的な事を言い出すつもりはないのです。そりゃあ、若い頃と比較したら声の可動域は狭まっているし、特に高音の発生時は昔より苦しそうにされているのは事実です。ただしキーは変えていないのがジュリーのプライドだと思います。
でもでもでも!間違いなく声の色艶、声量、高音の響きが相当復活している!音源として残しても全く問題なさそうなクオリティの高さであるのには驚きます。そしてMCでの声の張りも素晴らしい!正直60歳半ばの頃のMCではもっとボソボソしゃべっていたイメージがあったのですが、なんか50代半ばの頃の活き活きとした語り口なんですよね~。

なんでこうやることやることが素晴らしいのか!?70も超えたし、たまアリの屈辱もリベンジしたし、もうジュリーにはやり残した事”はないと思うのです。普通ならライブ会場では記念グッズ出しまくって、だんだんバラード系セットリストにして自分に負担の無いよう静かな幕引きを図ろうとするのではないかと思うのですが、このコンディションの良さには平伏するしかありません!
もうひとつですね、これはあくまで私の体感なのですがここ2~3年BPMというか曲のテンポが遅くなっているような気がしていたのです、ジュリーの年齢に合わせてというか、、、、去年のACBとか特に感じられました。しかし今回は明らかに元の速さだった!「君のキレイのために」とか激しさが売りの曲ですが本来の速さだった。バンドが代わったのが原因かもしれませんがこれも嬉しかったですね。
それでは、歌についてです。
① a,b,c….i love you
② ダーリング
③ 憎みきれないろくでなし
④ 麗人
⑤ サムライ

①については大好きなアルバム「単純な永遠」の1曲目ですが、まさにオープニングにふさわしい「行進曲」だと思います。個人的には生で初めて聴いたのですが「もう聞く機会はないだろうな」と思っていただけに感動モノでした!最近のセットリストにはなかったですからね。⑨も同様だし、⑩も還暦ライブ以来!76歳のライブのラインナップとは思えないハードな曲たちですよ!ありがたい限りだ。。。
⑤については聴ける頻度は高い歌ですが、やはり何度聴いてもいい歌です。シングルリリース時はジュリーの透き通った声が曲の色気を高めていましたが、今のジュリーの重厚な声もまたいい!対象が愛する人ではなく男の人生そのものを語っているようにも思えます。いや、元々そういう歌ではないかと思うのです。
また新バンドの音が実に迫力があってこの曲の素晴らしさに拍車をかけていると思いました。全体的に力強さが感じられるんですよね。繰り返しになりますがこの年齢で新しいメンバーと共にツアーを行おうという心意気は尊敬するしかないです。
⑥ PEARL HARBOR LOVE STORY
⑦ ISONOMIA
⑧ すべてはこの夜に
⑨ ジェラシーが濡れていく
⑩ 彼女はデリケート
⑪ ポラロイドGIRL

⑥は福岡出身の朝本浩文さんが作曲された曲。その前に強めの歌詞の曲が続いた後、実にしっとりと歌い上げておられました。館内もジュリーの心を込めた歌いように何か感じるものがあったのではないかと思います。MCで「自転車は危険!」と力説されていたのも、自転車事故で天に召された朝本さんに思うところがあったからでしょうか?こういう切なく美しい歌を歌える歌手が今どれだけいるのか!?
⑨はジュリーの楽曲至上相当にカッコいい曲!これもまた生で聞けるとは思いませんでした!この曲及び「私生活のない女」「来タルべき素敵」の3曲が「ジュリーのカッコいい曲」ベスト3ですよ!
⑪について、この曲が入っているとホッとする、というかいつもジュリーが楽しそうに歌ってくれるので嬉しくなります。個人的には「この曲でジュリーが1等賞常連に返り咲くはず!」と期待した私の思い入れの強い曲なのですが、残念ながらそうはならなかった!でもジュリーがこの曲を今でも大事にしてくれているのはうれしい限りです。
⑫ 君のキレイのために
⑬ LUCKY/一生懸命
⑭ 睡蓮
⑮ 甘いたわむれ
⑯ 鼓動

⑫については例の”舞台内全力疾走”を今回もやるのか?流石に危険ではないのか?と懸念しておりましたが動きを”競歩”に変えていたのは流石でした!(笑)しかし⑫自体もそうですし、その前の⑪⑩も息継ぎが結構きつい曲だと思うのですが、その曲の後こんなパフォーマンスを披露するのは流石としか言いようがありません。
⑬については「演者と観客の気持ちが一つになるのにふさわしい曲だなあ」といつも(リリースはごく最近ですが)感心します。以前書いて消失したこのブログ内で「so-year-oh」は「老いながらお互い添いあおうという意味に違いない!」と力説したのですが、やはり間違いないですよ!
⑭はドラムとギターの力強い音色が印象的な曲ですね。GRACEさんのドラムのイメージが強い曲です。この曲、および同じアルバム内の「明日は晴れる」や「甘い印象」はジュリーご当人の作曲な訳です。「結局譜面を読めるようにはならなかった」と語っていたジュリー様ですが、「では作曲はどんな方法で行っていたのか?」という長年の疑問がある訳です(笑)。
一般的には鼻歌、もしくはハミングで叩き台を作り、ギターを弾ける人が譜面に再現してもらう、というのが一般的な方法のようですが。。。
⑰ マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
⑱ 渚のラブレター
⑲ いくつかの場面

⑰についても大好きな曲です。”もしジュリーがフェスに出るとしたら”(あまり出てほしくはないですが)、歌うのはこの曲がベストだと思うんですよね。開放的な曲です。基本的にジュリーの歌は人の心の内面を一癖も二癖もある作詞家の方が実に含蓄の深い詞を作成し、それをジュリーが歌いこなす、というパターンが多いのですが、この曲は実にド直球、ストレートで分かりやすい歌詞なのが返って異色ですね。
⑱については昨年のツアーでのセトリにも入っていた曲ですが、それまではあまり歌われなかった印象があります。還暦ライブでもセトリに入っていなかったし。ご存じかと思いますが、この曲はサビの突き抜けるような高音がウリの曲。こんな歌を歌いこなせる歌手はそうそういないと思います。
思うに自分にハードな曲を課して楽な道を選ばないようにしているのかな?そう思ったりもします。今年の声量も去年に全く引けを取らないど迫力でした。

⑲については歌いながらジュリーが感極まってしまう確率が強い歌ですね。そして今回も。。。。「集まってほしい人」は私生活も仕事の関係者も、、、両方なんじゃないかと思います。勝手な想像ですが、にジュリーが信頼して裏切られた、もしくは優しい笑顔で利用しようとした人たちは山のようにいたのではないかと思います。
そういう人他に対して安易に妥協せず、自分を貫き通すとふとした瞬間その時押し殺した悲しみ、辛さを思い出してしまうのかな?そんな風に思います。これが結構若い頃にリリースした曲だというのが驚きですね。
私の感想としてはこんなところです。前編でも書きましたがジュリーが終始ご機嫌がよさそうなのが実によく感じられました。(昨年、一昨年の福岡もそうですが)そしてこの回を書いてきて改めて思ったのですが、私はジュリーの事を勝手に過小評価していたのではないか?と。
私は「ジュリーは後期高齢者なのに凄い!」的なことをこのブログでは何度も書いてきましたが、実はご本人は「年だから控えめに」なんて意識は全然なくて単純に「いいものをファンに提供したい」「自分のやりたいことをやりたい」という純粋な気持ちを両立させての今回のセトリや新バンドメンバーではないかな?と思いました。

自分の歌を歌いこなせる自信があるならセトリの内容について「年だから」と躊躇する必要はないのかも知れません。パフォーマンスについては自分に見合ったものを考慮しなければならないかも知れませんが。それは日々の積み重ねる地道な発声練習等のコツコツと努力してきた賜物だろう、と思いました。
今まで歌い続けてきた、素晴らしい曲たちをもったいぶらずにサラッと歌ってもらえるのは本当に素敵なダンディズムだと思います。偉大なジュリーを私自身の勝手な物差しを当ててあーだこうだ言っていたのを反省しております。
とにかく大変余韻の残ったライブでした。次回の10月の福岡市民ホールでのライブチケットも無事当選しましたし、また楽しみが増えました!今日はこんなところです。
それでは、また。