私の骨髄移植⑰ 恐怖のカテーテル挿入 更には放射線照射、脱毛。。。

みなさん、こんにちは、みやけです。今回は私の骨髄移植体験記の17回目です。

いよいよ骨髄移植に向けての処置が開始となり、本格的な入院生活が始まりました。前にも書きましたように病院側の事情で個室を確保、wifiが通じていない以外出だしは快適な日々でした。この頃は体調をよかったですしね。仕事の事は完全に忘れ去って治療に専念できていました。

ただし入院の説明時、「カテーテルの挿入も考えている、ただし事前に患者さんの同意許可を取りはしますが」と言われていた事がずっと気になっていました。カテーテルというのはより早く投薬を心臓まで届ける事と、その都度の注射の手間を省くため、腕の関節のあたりから体内に小さな管を挿入させ、心臓の近くまで管を持って行く処置です。

もちろん長期間その状態を続ける訳ですから、当然管は腕から常時飛び出している訳になります。私的にはそれは出来れば回避したかったんですよね。医学的にどうのこうのではなく、私は注射が嫌いで未だ持って自身の腕に注射針が刺さっているシーンさえも直視できないのです。同様に体内に何かが入りっぱなしという状況も。

このような状況なのですからカテーテル挿入処置は恐怖でしかない!「できれば回避」を事前に担当医に伝えてはいたのですが、新しく担当医になったT先生から(T先生は入院時限定の担当医)「じゃあ、カテーテルの挿入処置は〇月×日の△△時から行いますので」とあっさり言われてしまいました。「いや、ちょっと」などと話をさえぎる雰囲気さえなかったですねw

後々から思えば、術後は24時間点滴で終日つながれる羽目になるのは確定している訳であり、その状況下でその都度注射をするなどというのはナンセンスもいい所で「カテーテル回避」等と言うのはあり得なかったですね。単に私が注射が嫌いな事を知っていたC先生が気休めを言ったのでしょう。

私が入院中専任で対処してくれたT先生は、小柄で眼鏡をかけており若いながらも非常に話が分かりやすく、かつ明るい男性医師でした。ちょっとキャラが軽すぎるかな?という感じはありましたw。 例えればスーパーマラドーナの田中さんみたいな(例えがマニアックすぎる!)人で、毎日の血液検査の結果の用紙を見せる際「チャンチャチャ~~ン」と言いながら用紙をめくるので私はいつもその宣言を苦笑いして聞いていました。

ただしかしT先生の腕は確かでした。カテーテル挿入は担当看護師のIさんも見守る中、20分程度で終わりました。「T先生はカテーテル挿入がすごく上手いんですよ」とIさんが励まして?くれたおかげでトラブルもなく痛みや違和感もなく終了しました。「何かが体内にモゾモゾ入っていくな」という妙な感覚があるだけでした。

T先生は「今日は中々うまくいった」と自画自賛していました、人によっては最終到着点に中々届かなかったり、管がいったん違う所に行ってしまう事もあるようです。手探りで行うのですからよくよく考えればすごい事です。

治療日程ですが、入院は7月15日頃だったのですが、移植日は8月10日前くらい、カテーテル挿入は確か7月20日頃だったと思います。そして放射線照射の日程も提示されました。それは7月最終週だったと思います。移植を行う前に一旦私の白血球を完全に消滅させるためにあえて放射線を骨髄を中心に体に当てるのです。やはりそれには恐怖を感じますよね。

その前に内容と趣旨についての説明を受け、それに内容対して「理解し、承諾した」という内容の書類にサインしました。下の画像はカテーテル挿入に関する承諾書の説明部分です。正直入院中の処置がある度この手の書類にサインしてましたよ。これだけじゃなく、骨髄採集から、放射線治療、移植から日々の輸血に際してまで。

今思えば、なんだかんだで合計30回以上は各種書類にサインをしてきたのでは?という印象があります。正直書類の内容を完璧に理解なんてしていないですよ、ただ医療処置には何らかのリスクが伴う、という事はつくづく身に染みました。特に体内(血液中)に何らかの物質を投入するというのは、わずかであっても致命的なことになる事はあり得る、というのは認識できました。

それは、その薬の有効性・デメリットと同時に、やはり人の体質というのは各々違うので、一般には効果がある薬でも、極々まれに逆の効果になり売る場合もありうるのです。

ですので、私は輸血を受けたり、何らかの高度な医学的処置を受ける際、心のどこかで「ちょっとした覚悟を決める」ようになりました。「どうか何も起こりませんように」という事を。仕方ないんですよ、もう。ですので、後年コロナ過が訪れ、「ワクチン接種反対派」と称する人たちが「リスク」だの「危険性」などと狂信的に騒いでいるのを見るとちゃんちゃら可笑しかったですね。重病に苛まれた事のない人の戯言ですよ。

「体内に異物、それもワクチンという強い物質を入れ込むのだから、それが体への悪影響がある人は1人もいない、なんて事はある訳ないだろう。ごく少数なら普通いるだろ!」という思いです。まあ、「反対、反対」と騒いでいた人は別の思惑があったんでしょうけどね。

それはともかく、カテーテル挿入処置も無事終了し、入院生活も移植本番に向けてイベントが立て込んできました。入院後しばらくは輸血をしつつも(いずれ白血球は死滅させるが、日々の生活の為必要)、移植を受けるに問題がないか、身体の精密検査。その傍ら色々と説明を受けつつ、それなりに充実して過ごしていました。ストイックに運動、チューブトレーニングやスクワットは欠かしませんでした。

フロアの看護師さん達とも良好な関係を築けていました。皆さんとそれなりに世間話もしていました。私はプロレスラーの小橋建太さんのツーショット写真をベッド脇のテーブルに常時おいていました。小橋さんは腎臓がんを克服して現役復帰した偉大なレスラーなので当然無菌病棟の看護師さん達は知っているだろうと思ったのですが、誰も気づいてくれなかったのは悲しいかったですね。馬場さんなら反応もあったでしょうが。。。

↑ これがそのツーショット!

 そして予定通り7月末に放射線照射が行われました。量的(2グレイ×1回)には比較的軽めの放射と説明を受けた記憶があります。流石にこの処置については通常の診察室ではなく病院の隅っこにある厳重な設備の中(放射線室)に連れていかれ、放射線をあてる腰の部分以外は完全防備になっている宇宙服のような服を着た記憶があります。

ちなみに放射線照射の承諾書はこんな感じです。

時間は30分程度傾斜したベッドに横たわります。希望されるのであれば、その間持ち込んだ音楽を聴いたり、DVDを視聴することが可能、と言われていたので私は沢田研二さんのDVD(夜のヒットスタジオ総集編)を持ち込み、照射中は「TOKIO」を鑑賞していた覚えがありますw。照射後は看護師のIさんが迎えに来てくれており、車いすにのって部屋に戻りましたが、それほど歩けないようなダメージがあった訳ではありませんでした。ただ少しだけクラクラするだけでした。

この照射により、私の髪の毛はいずれすべて抜け落ちる事が確実となった訳です。しかし放射線照射の翌朝、一晩で髪の毛がすべて枕元に抜け落ち落ちてしまっている、、、などというダイナミックなものではなかったですねw。

たしか移植後数日くらいまで、髪の毛は変化がなくちゃんと残っていました。それから一週間後あたりから徐々に抜け始めました。それもバサバサという感じではなく、強めにくしでとくと少しずつ抜ける、という感じでした。私的には「まだら」状態になるのが嫌だったので、そうなってからは髪を強めに引っ張ったりして自ら抜いていっていましたね。どこかに髪の毛をポタポタ落とすのは申し訳ないですから。

ちなみに髪の毛がもう一度生える事について、年齢を考えればもう二度と生えてこないのも覚悟していましたが、移植後2ヶ月くらいで少しずつ生え始め、1年半くらいで違和感なく生えそろったのはありがたかったですね。これも個人差があるようですが。。。。

そんな中、移植後の抗がん剤その他投入日程の一覧が提示されました。それが下の画像なのですが、、、正直これ見て「とんでもない世界に飛び込むのだ」という事を改めて実感しましたね。この内は正直身が引き締まりました。正直聞く気になれなかったのですが、この投入される薬が如何に身体に負担になるかという点については嫌と言うほど説明を受けました。

24時間点滴という処置についてもこの時その詳細を初めて理解しました。ずっと点滴をし続けていないと命に関わる状況なんです。点滴を行わないのは1日15分のシャワーの時だけ。もちろん寝る時も点滴を付けたままです。抜けるのが怖くて寝返りもおちおち打てません。

それは身体を守るための薬剤なのですが、副作用も大きいのですね。単に精神的にきついだけならいいのですが、皮膚がただれたり変色したり後々まで肉知的な後遺症が残る場合も結構あるのです。その可能性については案の定「個人による」としか言ってくれなかったですが。。。。

結局ですね、移植したといってもその日のうちに生存に必要な血液細胞たち、赤血球・白血球・血小板がガンガン生産される訳ではないのです。それよりもまず、「生着」といって、まず移植された骨髄細胞がちゃんと稼働できるかどうか確認を行う必要がある。そしてごくたまに生着が成されない人もいるらしいですね。

その場合、緊急で再度別のドナーさんを探して新たな移植を行う、らしいのですが、その場合どういう風にそのチョイスが成されるのか気にはなります。そもそもドナーさん決定まで基本数か月を要するわけですが、それを10日くらいの間に成立させようとする訳ですからね。そういう人って白血球がほぼ0ですから緊急を要するわけです。

話がそれましたが、重要なのは移植して血液細胞が順調に稼働するまでの間、特に免疫機能を司る白血球が不足している状況において、どう他からの有害な菌の体内への侵入に対して対処するか?という事なのです。風邪程度の菌でも、免疫力がほぼないも同然のその時の身体にとっては致命傷になりかねないからですね。

なもので、このような大量の薬の服用が必須となる訳です。実際の状況としては点滴の器具を2台並べて複数の液剤がひとつのチューブに合流するようになった管を24時間装着していました。点滴器具の稼働状況を示すランプが24時間煌々と光っていますので眠れたものではなかったですね。

今日はこんなところです。次はいよいよ移植当日の話です。それでは、また。

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