私の骨髄移植⑪ 20キロ以上のダイエットに挑戦! その1 いきなりライザップに断られる!

こんにちは、今回は私の骨髄移植体験記の11回目を書きたいと思います。

2018年1月に予定されていた骨髄移植がドナーさんの健康上の問題で流れ、その他のフルマッチの計17人の登録者さんも諸事情でほぼ全員脱落する事が確実になってきた状況を踏まえ、私は20キロ以上を目標とするダイエットに挑戦する事にしました。

私の骨髄移植⑩ 追い詰められる中、患者の会に参加し無謀な決意!

詳細は前回に記しましたが、当時私は体重が90キロ以上あり 、体重が軽めのドナーさん数人がリストから漏れていたのです。それをクリアするため私自身が体重を落としてその数人のドナーさんがリストに入るよう自分で努力してみる!という試みです。

しかしそれは自分自身で勝手に考えた事であり、理屈だけの話です。とりあえず担当医に相談しましたが「仮定の話にはなんとも答えられない」という、まあ予想された回答でした。聞かれた側が私だったとしてもそう答えると思います。その仮定もそれ程現実味のある話ではないですからね。

しかし私は食い下がり、担当医の上司のC先生(私の今の担当医)も呼んでもらい「そのようなダイエットをすること自体はいいかどうか?」について確認を取ってもらえないか?と詰め寄りました。冷静なN先生も流石に移植キャンセルがあってからは多少私に同情的になっていたのでその願いはかなえられました。

C先生の答えは「ダイエット自体はもともと病院側の指示があったことなので否定するものではない」「しかし抗ガン治療をしている身であるので、何らかの専門家の指導に従い行う事」「けっして無理はせず、月一の定期健診の際にその事を報告する事」というものでした。

もちろん「ダイエットが実現すればまだリストに入っていない女性の登録者さんのリスト入りを検討する」という言質は得られませんでした。しかし私は「これが実現すればかならずそうなるはずである」という勝手な思い込みがありました。

こういう都合のいい思い込みは私の18番の考えですが、逆にそれが裏目に出る事もあるかも知れませんが、私はこの思考こそがなんとか骨髄移植を成功させた大きな要因のひとつであったと今でも強く思っています。

とりあえず、一応は病院側の許可をもらい私のダイエットは開始されました、しかしこれまでやってきたような「服が合わなくなった」とか「結婚できない」とかいう些細な理由ではなく後がないものでしたので、やはり誰かに管理されての挑戦の方が良い、と考えてしまいました。

そうなってくると、事前に思い浮かんだのが「ライザップ」でした。その時期ライザップ社は芸能人が頻繁にチャレンジし、実績を上げ頻繁に話題になっていました。しかし大半の方が最終的にはリバウンドをして元に戻っている事も承知していました。そして、それなりに高額な事も。。。。

しかし、追い詰められている私は、「しばらくしてリバウンドしたとしても、とにかくドナーさんを確保して移植に持ち込む事が目的なのだから、それでもかまわない」という不遜な考えで、web上での申し込みを行いました。この事は妻にも相談しましたが、あまりいい顔をせず、「いったん説明を聞いて、決心する前に相談の機会を持ってほしい」との事でした。

そしてweb上での申し込みを済ませると、「正式登録する前にいったん電話での面談を行いたい」という旨のメールが届きました。約束の時間にかかった電話を取ると、40歳くらいの雰囲気の男性が対応してくれました。ありがちな営業言葉満載のガンガン来る雰囲気の方ではなく、非常に話しやすく、聞くことの上手そうな方でした。

一応申込書には自身の状況を説明していましたが、私はもう一度自分の言葉で入会希望理由を語りました。その方は少々驚いた感じで私の説明を聞いていましたが、こう語り始めました「大変な状況なんですね、、、しかしお客様の場合弊社のダイエットに取り組みにはちょっと厳しいかもしれません。」

「というのはですね、ライザップのダイエットというのは基本的に糖質制限なんです。もちろん健康を害さない様各種数値を随時確認しながら進めて行く訳なんですが、糖尿病患者さんの場合状況によっては急に低血糖に襲われる可能性もあり、その患者さんだと入会についてはかなり慎重に審査するのです。」

「しかもお客様の場合、抗ガン治療を行われているとか、、、体力もやや低下しているなら服用している薬の性質を含まて糖質制限ダイエットが治療に悪影響を及ぼす可能性があると思うのです。化学療法においてどれはいい、どれはダメとかいうのは弊社では判断できかねるんですよ。辛いお気持ちは大変良く分るのですが、弊社への入荷は難しく思います。」

ということで断られてしまったのです。ただしかし題名にも書きましたが「断られた」と表現すると、如何にも”門前払いされた”という印象を持たれるかもしれませんが、ここまで書いてきた会話の内容でも分かるように、しっかりと説明を受けましたし、私の気持ちにも寄り添ってくれました。

正直なところ、申し込みをしながらもライザップにはあまりいい印象をいなかったのですが、この対応は「ちゃんとしている会社なんだな」と感じました。対応された方は単純に社の規則に従って私を断っただけかもしれませんが、そうなったことに私は怒るでもなく、逆に「そういわれればそうかな」と感心しました。

これが会員からお金を取る事だけが目的の会社であり、かなり無茶な糖質制限ダイエットに関わったとしたら、結果更に体調を崩して取り返しのつかない事になっていたかもしれません、結果ライザップとはそれっきりの関係となりましたが、私としては感謝に近い気持ちがあるのです。

しかし私のダイエット計画はいきなり行き詰りました。やむを得ず、私は糖尿病行きつけの病院のO先生に相談しました。本来O先生に真っ先に相談するべきだったのですが、この先生、ちょっと患者へのあたりがきついのでためらってしまったのですね。

まずライザップに行った事を正直に打ち明けると案の定「そんなのお金の無駄でしょう!」とこっぴどく怒られました。そして「私の病院の専属の栄養士さんがいるのでその方に説明を受けながらダイエットをすること!」と申し渡されました。

更にはKNという薬を処方してもらいました。この薬はインスリンの分泌を促し、体内から糖を輩出する役目があります。ですので血液検査を行うと尿にそこそこ糖が確認されるも、血糖値には問題がないという結果になります。知らないところで血液検査をすると必ず尿に糖が出ている事を指摘され、この薬について説明するのがパターンとなっています。

この薬は私に合ったようで今でも服用しています。そして栄養士の先生と面談。この先生はおそらく70近い年齢の女性であり正直「おばあちゃん」という印象の方でしたが、非常に知識が豊富で真面目な先生であり、私たち夫婦に大変親身になって協力・指導していただきました。

その先生は私と同じ苗字、それだけでも親近感は沸いたのですが、旦那さんは数年前私と同じ病気で天に召されてしまったらしいのです。高齢故骨髄移植の選択肢はなかったのですね。そういうこともあったからなのか、その先生からは「私はあなたになんとかして病気を乗り越えてほしいから一生懸命頭をひねりますね」と言ってくれました。

妻は別途、その先生の元に何度も通い私の状況を報告し、アドバイスを貰う事になりました。先生は妻に何冊も栄養学の本をプレゼントしてくれました。出た結論としては、「状況的にやはりやむを得ないが糖質制限ダイエットしかない。しかし低血糖にならぬよう綿密に献立を考える」というものでした。その詳細は次回書きたいと思います。

私も機会があれば、その先生の所に顔を出しました。そして後日移植が実現し、退院した際、その先生の元に挨拶に行くと先生は涙を流して喜んでくれました。本当にこの先生は私の恩人ですし、感謝の気持ちしかありません。

皆さんは、カウンセラーや心理学の言葉で「自身が羽振りの良い時に周りに集まってくる人は信用すべきでない。逆に自身が大変苦しい時に優しく寄り添ってくれた人にこそ一番大事にすべき」というようなセリフを聞かれたことがあるのではないかと思います。

私もガンを患い、移植が中止となりやさぐれた時期もありましたが、その反面この先生のように、単に仕事だからという事だけでなく、本当に親身になって私を応援してくれる人に何人もめぐり逢うことが出来ました。

残念ながら、その手の人たちは大半が医療従事者の為、それっきりになってしまう事が多かったのですが、その方々の事は一生忘れる事はありません。また私自身の人生においてもそんなに多くの”優しい人々”に出会った経験はありませんでした。良い人に囲まれていたのも、私が何とか社会復帰出来た理由のひとつだと確信しています。

こうして始まった私の20キロダイエット。最初は一進一退でしたが、段々と成果が出てくるようになりました。詳細は次回に書きたいと思いますが、ダイエットにつきものの”アレ”が原因で私は救急搬送されることになります(笑)

ま、今日はこんなところです。それでは、また。

#骨髄移植

#RIZAP

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