私の骨髄移植 ③ 病名は骨髄異形成症候群

こんにちは、みやけです。今回も私の骨髄移植についての回想回です。

聞いたこともない病名のがん宣告を受けてしまった私に対して、N先生はこの「骨髄異形成症候群」という病気の説明をしてくれました。

ちなみにこのN先生、女医さんなのですが、私が骨髄移植が決まり正式に決まり入院する事になるまで1年半ほどお世話になりました。追々書いていきますが、この先生も色々と思い出深い先生ですね。性格は如何にも女医らしいサバサバ系、、、まあ、性格的にはあまり私と合いませんでしたが、深い知識があり信頼できる先生でした。

本来医者は、感情に左右されないドライな性格であるべきだと思います。痛がる患者に対して「辛かったでしょ」~と深い共感力を持ってくれる先生の方が一見良い様に見れるかも知れませんが、あまりに感情が強い先生だと、オペの最中で想定外の事が発生した場合、「ええっ!!どうしよう~」なんて口走ってしまう先生は不安ですよね。N先生はそのあたり冷静沈着を絵に描いたような人でした。

やはり医者たるもの、どんなことが起きようとも顔色一つ変えず淡々と次の手法を模索する、サイコパス的性格を多少なりとも保持する人が向いていると思います。

さて私の病気の骨髄異形成症候群についての説明を少ししておきます。かなり簡単に言うと骨髄細胞が何らかの原因で正常に稼働せず、造血機能が低下する病気です。赤血球・白血球・血小板が正常に作られなくなるのです。

赤血球は酸素を体内に運ぶ役目があり動くことの基本になるとも言える細胞、白血球は体内に侵入した病原菌を退治する役目があり、血小板は何らかの理由で体内外に出血が生じた場合、その血を凝固させ止血を図るものです。

それぞれ人間が生きていく上での基本的活動を担う細胞であり、これがまともに稼働しないという事は何かのきっかけ、病原菌に冒されたり大きな怪我を負う事で、それが普通なら自力で回復できるものが致命傷になり得る、、、ずいぶん後になってその事は痛感しましたが、この時点ではどうにもピンとしてきませんでした。

ちなみに骨髄異形成症候群は「白血病の前段階の病気」と呼ばれたりもします。骨髄~の治療中症状が変化して白血病に移行する事が多いためそう呼ばれます。白血病は白血球が逆に急激に増加し、赤血球・血小板の造血を妨げるようになるものです。いわば暴走という事になるのでしょうか、、、

しかし「白血病の前段階」といっても、白血病より骨髄~の方がマシ、とかいうことではなくあくまで以降の段階でそうなるという事であり、それなりに深刻度は高い病気だと思います。

先生は「まだ特に自覚症状は無いし、数値も極端に悪いわけでhない。これから進行する可能性はあるが、それは2~3ヵ月単位かもしれないし、2~3年単位かもしれない。とりあえず2~3か月おきに定期健診を行い経過観察ということにしたい。」と話されました。

特に出される薬もありませんでした。私としても同意するしかありません。この事は流石に勤め先に説明しなければならず、それが一番「やだなあ」と思いました。

しかし、実はこの時点で私は

「低~中間リスク 生存期間中央値 3.5~5.3年」

という診断が下されていたのです。骨髄細胞の染色体異常の割合も全体の30%を占めていました。この時はこの説明はなされず、翌年夏に知ることになるのですが、この数値の意味としては特に何も治療をしなければ、平均を見ると後4年しか生きられない可能性が高い、となります。凄い数字です。。。

先生からの指導も特に細かいものはなく「もう少し体重は落としてください」「睡眠はしっかりとるように」「運動を心がける」等極めて常識的なものでした。年が明け2月に検診を受けました。その間も特に自覚症状は無くなるべく静かに過ごしていました。検査結果は以下のようなものでした。

この資料をザっと見た瞬間、「明らかに悪化している。」そう思いました。今見返してもそう思いますね。大幅にではないにせよ数値は明らかに大半が悪くなっています。しかしN先生は「数値は良くなってはいないがこれくらいは誤差の範囲。とりあえず経過観察を継続。」という事になり、次の検診は4か月後の6月中旬という事になりました。

そして6月までの間、仕事の上では更に心理的に不可のかかる状態は継続していたのですが、仕事の量についてはかなり軽減してもらい何かに追われるような状況では無くなりました。ある意味「治療優先」の勤務体制であったのですが。。。

しかし次の予約は6月中旬に取っていたのですが、その前に行きつけの内科での糖尿病定期健診の際、血液関連の数値が更に悪い結果に終わり、この時に悪い予感というか「これはヤバい!」とこれまでにない深刻な思いで心が一杯になった記憶があります。

私はこの結果を見て、妻と相談し、N先生の元に2週間ほど診断日を速めて訪問する事になりました。でのこの判断は正しかった。いい決断だったと今でも思っています。なんやかんやで有休取得が重なり、新たに休みを取ることは勇気のいる事でしたが、やはり健康が最優先!

そして血液検査を受けた結果、厳しい数値・診断結果を突きつけられることになり、長く苦しい治療へのドアを開ける事となるのです。

今日はこんなところです。それでは、また。

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