私の骨髄移植 ④ 生存期間中央値は3年弱。しかしそれは数字のマジック? 

こんにちは、みやけです。今回は私の骨髄移植体験談の4回目です。このあたりから私の病状も深刻になってきます。(これまでの経過は「ガン治療」のカテゴリーからどうぞ!)

糖尿病かかりつけ医での血液検査の結果があまりに悪かったので、私は後日訪問予定であったガン治療専門病院に連絡を入れ急遽検診の予約を入れてもらいました。結果は糖尿病かかりつけ医の結果と似たようなものでしたが、担当医のN先生は一転「病状は進行し始めているようです。」との診断を下しました。

私自身は何にも自覚症状はないのですし、何か自分自身でやれる対策もないので不安に思う気持ちは募るばかりなのですがどうしようもありません。とりあえず診断後再度の骨髄検査(マルク)を行い2か月後に再度検診の予約を入れたのですが、N先生からは「検査結果の内容によっては治療、化学療法を行ってもらう可能性がある」と言われました。

化学療法を行った場合の治療期間は1ヶ月程度との事でした。その治療法の詳細についてもそれなりに詳しく説明を受けたのですが、私は「やっぱり」というショックが先行して頭に入ってこなかった印象があります。

そして2か月後の定期健診。数値は更に大きく下降しており、骨髄検査の結果も出ていました。以下の資料がその内容です。(7月27日分)

血小板を除けば血液関係の数値は基準値の60~70%になっているのですから、そりゃあ素人が見てもかなりマズイ数値だと分かります。

まず、ヘモグロビン数値。N先生からは「この数値は日常生活を送るにかなり悪影響の数値。今回はギリギリクリアしているが、今後数値が8.0を下回っていた場合、輸血を受けてもらう必要がある。」と言われました。

正直「エッ」という心境でしたね。輸血って怪我・事故とかで大量出血している人への処置のイメージでしたので「何で輸血?」そう思いました。しかし何のことはない、私の血液は血管を流れてはいるものの、その40%程度は造血細胞が正常に機能していないのです。

ですので、輸血によってその比率を高めるのが目的。しかしですね、正常な血液には寿命があり、白血球は数時間から数日、血小板は約10日、赤血球は約120日しか持ちません。私のような血液疾患の患者への輸血は一時的なものでしかないのです。

話は少し逸れますが、ガンになって以来、忌々しい「民間治療」と称する怪しげな治療例を沢山見聞きしました。その中で某有名人数名がすがったという「血液洗浄」という治療があります。患者から抜き取った血液に何らかの”洗浄”を行い体内に戻す、というものですが、千歩譲ってその手法が正しいものだったとしても、患者側はその血液細胞は持って3か月程度という事は理解しているのかな?と思いました。

血液がんの民間治療としてオゾン療法(血液クレンジング)というのがあり、患者から抜き取った血液にオゾンを混入させ、再度体内に戻す。オゾンを混入させることで血液細胞の活性化を期待する、というものは確かにあるようです。

しかし大した医療設備もない一般人やその周辺にたむろする者が血液に何らかの加工を行う事自体が怪しさ満点です。私にとっては患者の弱みに付け込んでいるとしか思えません。でもあのスティーブ・ジョブズでもおかしな民間治療にハマってしまい、後で後悔したとの事です。無茶苦茶なものになると「金の延べ棒で患部をさする」などというものもあるとか。。。。

なぜこんなことになるのか?あくまで私見ですが、世の中には「自分は特別扱いされるべきだ」と考え、皆と同じように扱われる事が耐えられない人が一定数いるものです。それは稀にとか言うレベルではない、人が20人くらい集まったら普通に1,2人いるんですよね。

そういうタイプの人は結果が出るか出ないか分からない標準治療を他の人と同じように受けることは耐えられなくなるのかな?と思います。でも治療って、結構後になって効いてきたりするものです。治療内容を変更する場合でも、病院は前の治療との因果関係もしっかり考察しています。

効果が無かったら次から次に色々なものを買わせる民間治療はそういう前後の因果関係にはどう答えるのか?精査できるような能力はあるのか?「じゃあ、次行ってみよう!」で前のことはなかった事になっているのではないか?

おそらく全て自分の都合のいいように答えるんでしょうけどね。私個人の気持ちとしては、患者にすり寄って金銭が伴う民間治療を勧める人間は唾棄すべき存在だと思っています

さてさて、話が大きく逸れました。更には私の検査結果に関する、詳細な資料を提示されました。

ムムムッと誰でも叫びたくなる資料です。細かく聞かなくても私の状況が「(現状であるなら)前回は3.5~5.3年の生存期間中央値であったものが今回は1.6~3.5年に短くなっている」事が分かります。というか昨年末の診断で既にそんな数値が出ていたのも驚きでした。そしてその診断結果も私は今日初めて知ったのです。

この事を病院側は隠していたのか?それとも普通にスルーしているものなのか?その点についてはその際聞くタイミングを失ってしまいましたが、生存期間中央値の意味についてはその時しっかり説明を受けました。

しかしこの「生存期間中央値」そしてその後の骨髄移植に関して次々にこれでもかと提示されていく各種数値についてですが、私なりに考えて出した結論があります。それは過去の数値、まだ治療法が極めて限られていた頃の数値が多く含まれ、多岐な治療法が選択できるようになった近年の数値は現在進行形であるため継続中であり、数値として不十分なカウントである、という事です。

特に血液疾患に関しては、次々に治療法が確立され、回復の度合は間違いなく上がっているはずです。もしかすると、血液疾患の患者さんで色々と絶望的なデータを提示され目の前が真っ暗になった、、、という方もいらっしゃるかも知れません。

でもそれは事実ではあるかも知れませんが、そしてまた不十分なデータである。古いデータの比率が高い!あくまで個人の考えですがそう強く言いたいのです。

ま、そんないきさつがありまして、今後については

① 最終的に骨髄移植が必要と判断、それに同意するか?

② 移植にはドナーさん探しが必要、その間の治療として化学療法(ビダーザ)を考えているが、これにもまた同意するのか?

という点を確認されました。

この段階では私は「骨髄移植」という手術についてまだほとんど知識が無かったので、「費用は何百万円もかかるのでは?そもそもドナーさんって何年も待たなければ見つからないのでは?」と不安に思ったものです。

結構世間一般の知識もそうだったりしないでしょうか?私はプロレスラーのジャンボ鶴田さんが晩年肝炎にかかり、ドナーさんの順番が何年も回ってこず、最終的にはバタバタとフィリピンで移植を受けたものの、出血多量で亡くなった事が強く印象に残っていました。

もちろん、肝臓移植と骨髄移植は全く違うものです。更に言うと骨髄移植の費用は「骨髄バンクに登録」し「ドナーさんが見つかれば」手術だけの費用は5万もかかりません。(※手術後の治療費は別)

ただし、私は移植後6年が経過し、経過良好ながらも1~2カ月に1回程度のは通院し、その都度注射器8本平均の血液検査を行い、毎回1万5000円前後の治療費を支払っているのはかなり痛いのですが、それが一番大きいですね。

この時は、高額医療費の限度額制度も知りませんでした。病気になっていろいろ調べていくと、この国には結構弱者を救う色々な制度があることが分かりました。でもその大半は自分で調べないといけないんですよね。専門の機関に相談すると教えてはくれるのですが。。。。

まあ、そんな中でバタバタと私は治療に向き合うことになりました。その時点では先生の言いなりになるだけで、それが具体的にどういうことかを調べる気力はなかったですね。職場にも今後頻繁に休んだり通院すること、長期休職を依頼するであろうことを話しておかなければならないですし。

とりあえず化学療法「ビダーザ」へ向けての準備をすることになります。いろいろな契約書にもサインをしました。「~の治療を受けることに同意する」という内容のもので、いい気持のするものではないですが、サインせずには前に進めません。何から何まで抗うことはできない状態でした。

今日はこんなところです。

私の骨髄移植 ③ 病名は骨髄異形成症候群
私の骨髄移植 ② 会社の健康診断で要精密検査診→がん専門医院行きの驚き

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