こんにちは、みやけです。今回は沢田研二さんのライブブルーレイの感想企画w。昨年のさいたまスーパーアリーナ鑑賞の第3段です!
TOKIO
ジュリーのライブで盛り上がる歌のトップ3に入るであろうこの曲!ジュリーが75歳になっても相変わらずノリノリで楽しそうに歌ってくれるのはうれしい限りです。
ご存じのように、この曲は電飾を散りばめた宝塚風?衣装にパラシュートを背負うという前代未聞のパフォーマンスで知られます。個人的にはこの歌でパラシュートを最後に背負ったのはいつなんだろうというのが凄く気になっています。
紅白で歌ったときはそれまでとは全く違う中性的な衣装でしたし、その後ジュリーの特集番組でこの歌を歌ったときもパラシュートを背負って歌ったことは無い。。。ベストテンの最後の方かな?という気はしますが。。。
ちなみにこの衣装、私のあやふやな記憶ではあるのですが、シングルレコードのジャケットに映っている、赤いテンガロンハットを被り手にはブルロープというスタン・ハンセン張りのコスチュームが予定されていた、と聞いています。
そして、本来「OH!ギャル」の次にこの曲のリリースが予定されていたのですが、ジュリーが「ロンリーウルフ」を強く推し差し替え。しかしこの曲の売り上げが低調だったっため、TOKIOの衣装は「もっと派手に」とテコ入れがなされ、例のパラシュート衣装になったと記憶しています。
まあ、確かにシングルレコードのジャケットと全く違うコスチュームというのは、(ダーリング・カサダン・渚の・ストリ・6番目は全てジャケット通りの衣装)ちょっと異例の事であり相当急な変更があったのだなと察せられます。
後年、ジュリーの過去映像がテレビで放映される場合、基本「勝手にしやがれ」か「TOKIO」の2択。場合によっては「時の過ぎゆくままに」だと思います。それほどジュリーのイメージを端的に表現している歌だと思うのですが、実際のところ、売り上げだけでで言えば必ずしもジュリー史の中で上位に来る曲ではなく、「中の上ヒット」程度の曲なのですね。
「TOKIO」のレコード売上げは33.8万枚。ジュリーのシングル曲を売上順に並べるとするなら1位は「時の過ぎゆくままに」と来てその後②勝手にしやがれ③危険なふたり④憎みきれないろくでなし」←意外!⑤追憶 ⑥サムライ ⑦LOVE ⑧ダーリング ⑨カサブランカダンディ ⑩ストリッパー ⑪許されない愛 ⑫魅せられた夜そしてTOKIOとなる訳ですから、ジュリー史上13位となる訳です。
オリコンの最高位はなんと8位どまり。ザ・ベストテンでは長く2位に留まったものの結局1位は取れませんでした。なので私個人としては「何故か大ヒットしなかった曲」というイメージが強いのです。とっても好きな曲なのですが。。。
この曲がリリースされた1980年というのは後年も歌い継がれる名曲が傑出した年です。同時期ジュリーとランキングを争った曲としては「クリスタルキング・大都会」「久保田早紀・異邦人」「海援隊・贈る言葉」「五木ひろし・おまえと二人」「竹内まりや・不思議なピーチパイ」「渡辺真知子・唇よ、厚く君を語れ」という層々たるラインナップ。こんなすごい曲たちの中でジュリーは1位を目指していたのです!
しかし、当時を実体験(中学1年)した私としては、「実は販売当事はあまり話題にならなかった曲」なんて事を言いたい訳ではありません。まずリリース前からその噂は大きな話題になっていましたし、公開後も評判倒れにならず、いや、想像の上を超えたジュリーの魅力を乗っけた仕上がりぶりに高い評価を受けていたと思います。
そりゃあ、あまりにぶっ飛んだ衣装に目をしかめる層も無くはなかったですが(うちの親父曰く「チンドン屋のごたぁカッコしてから、、、」)しかし有線を始めレコード店、商店街、繁華街等街中の日常生活でも頻繁にTOKIOは流され間違いなくひとつの社会現象となっていたと思います。
しかしTOKIOが話題になったあと、「贈る言葉」「ランナウェイ」という後年まで記憶に残る名曲が評判になったため、一般の歌謡曲ファンの記憶が上書きされてしまったような印象があります。しかしそうなるとレコードの売り上げがイマイチだったこととの整合性が取れないんですよね~。
ただし、ジュリーのシングル曲のリリース史を振り返っても、この曲がひとつの分岐点だったと思います。それまでは(私はその頃はまだ子供でジュリーファンではなかったですが)、良くも悪くも阿久悠さん、もしくは安井かずみさんの世界観の中で自分を交互に表現している印象でした。
しかしTOKIOは突然糸井重里という全く聞いたことの無い表現者とタッグを組み、シンセサイザーを駆使した極めて斬新な曲は発表しました。TOKIOを初めて聞いた時の音色の衝撃は半端ではなかった記憶があります。1月1日のリリースなのですが、私の近所にあったHレコード店は1月3日から営業しており、お年玉を握りしめそこでGETした覚えがあります。
レコード盤も紙台紙ではなく、文字が掘り込まれておりナウい!w「ジュリーが何か大きな新しいことをやろうとしている」という印象を持つワクワクさせた曲でした、その後佐野元春さん、三浦徳子さん、井上陽水さん、サエキけんぞうさん等実に色々なジャンルの人と絡むことになる訳で井上バンドとの別れも相まってジュリー史中期の幕開けとなる曲だったと思います。
話はこの曲のランキングに戻るのですが、ザ・ベストテンにおいて、リリース3か月ちょっと経った時期、前週4位から翌週急にベストテンランク外となった時の衝撃、悲しみは今でも鮮やかに思い出されます。当時はオリコン誌も毎週購入していた私は、「そろそろ6~8位くらいに落ちているかも」と予想しながらテレビを見ていました。
しかし、4位までの発表が終わった後、逆算していくと「贈る言葉」「大都会」「唇を~」はどう考えても3位まで入っており、嫌な予感がするまま、11~20位の曲の発表を見た際、TOKIOの姿を見つけたときの驚き!傍らで見ていた母の「あら、ジュリーは落ちとるたい!」の言葉に逆ギレし猛然と食って掛かった思い出がありますw
もちろん、その後TOKIOはベストテンに戻ってくることも無く、私は大好きだったTOKIOを看取るチャンスを見つけられぬまま引き離されてしまった感がありました。大袈裟かもしれませんが、この不完全燃焼があったため、次曲「恋のバッド・チューニング」には中々のめりこめませんでしたね。
さてその後、TOKIOはテレビで歌う機会はグッと減りましたが、ジュリーは気に入っていたようで、披露する際は実に楽しそうに歌っていますね。武道館でのジュリーマニア、過去映像解禁?となった時期の2000年でのミュージックフェア、還暦ライブ、いずれもノリノリで歌っています。
パラシュートを背負ってのパフォーマンスについてジュリーの本心はどうだったのか?知ることは出来ませんが、複雑な思いもあったのかもしれません。しかし「ファンとの気持ちを共有できる曲」としてジュリーがTOKIOを大事にしてきてくれたのはうれしい限りです。
後年のバラエティ番組で、「東京」という街を特集する際TOKIOがかなりの確率で流れるのはうれしい限りです。特定の世代にとっては心に強く残っている曲なのでしょう。”仮面貴族”ミル・マスカラスのスカイハイ同様鉄板曲となっていますよね!(←それは強引すぎ?)
一昨年リリースされた新曲「LUCKY/一生懸命」でのカップリング曲として「TOKIO 2022」という曲も一緒に公開されました。もちろん全国ツアーではこの曲がセットリストに入っていたのですが、さいたまスーパーアリーナでは通常版TOKIOを歌われていました。
ジュリーサイドの真意は分かりませんが、表現者の気持ち的には直近バージョンを大舞台で披露したいのはヤマヤマではないか、と思うのですが、TOKIOの歴史というものを考慮してオリジナルバージョンを組み入れたのではないかと思います。
たまありでもいつものジュリーのノリでステージ上を闊歩しながら一生懸命歌っていました。時折息が苦しそうに見える瞬間もあるのですが、切なさも同居するこの曲にはそんなシーンも何故か似合っていました。
ジュリーの魅力は妖しさと退廃感、なものですから、意外と何も考えず問答無用で大騒ぎできる曲、というのは少ないと思うのです。ダーリングとかチェックインとかのノリの良い曲でも、やはりジュリーの歌唱力をもじっくり聞きたくなってしまうのです。
しかし、TOKIOはジュリーがどう歌っているか?はあまり気にならず、素直にこの曲に世界観に入っていける稀有な曲だと思うのです。あまり褒めているように聞こえないかもしれませんが、私のつたない文章力を振り絞った最大の誉め言葉です!
そろそろ、まとめに入りますと、、、TOKIOは一般世間も認めるジュリーの代表曲のひとつ。しかし私的には曲は大好きだけど不完全燃焼に終わった曲、、、しかし後年ジュリーがこの曲を大事にしてくれたことで救われた気がします。
年を重ねると歌うのがきつくなってくる曲もあるかと思いますが、ジュリーがTOKIOをこの年まで”切り札”として丁寧にしてくれているのは本当にうれしい限りですね。
今日はこんなところです。それでは、また。