山口百恵 乙女座宮 ~百恵ちゃん最後の正統派アイドルソング~

こんにちは、みやけです。

今回は昭和歌謡曲のお話です。往年の名歌手・山口百恵さんについて書いてみたいと思います。それも数ある百恵ちゃんの名曲の中から1曲に絞って!一応お断りしておきますと、私は山口百恵さんについては好きな歌手の一人ではありましたが、それほどディープなファンという訳ではありませんので。。。

前々回のこのブログでは沢田研二さんのシングル曲に的を絞り、1978~79年のザ・ベストテンに登場した歌謡曲について色々書かせていただきました。私自身が歌謡曲を本格的に聞き出したのは1978年からですので、丁度ベストテンという番組は自身の心に深く刻まれましたし、同年に発売された曲は思い入れが深いものが多いのですね。

前々からバラエティ番組で名前だけは知っていた、野口五郎さん、西城秀樹さん、郷ひろみさん、桜田淳子さん、キャンディーズの皆さんに関しては、ベストテンを通して「今こんな曲を歌っているんだ、以前はあんな曲を歌っていたんだ」と知ることが出来ました。

そんな中で、百恵ちゃんに関しては歌番組には良く出ていたので、「人気歌手・アイドル・花の中3トリオのひとり。」という事は分かっていましたが、バラエティにはあまり出ていなかったので具体的な曲名はあまり把握していませんでいた。

後から考えると、その時期は「赤い~」シリーズのドラマ撮影で多忙であり、あまり時間的な余裕がなかったのだと思います。ただし「事務所の方針としてバラエティに出ない」とかそういうことではなかった気がします。

百恵ちゃんの場合「ひと夏の経験」が印象的なように「未成年なのに、大人がドキッとするようなセリフを吐いて困惑させる少女」というキャラで押されていた印象です。事務所からはですね。なので当時のピュアな小学生の私にとっては近づくのがなんだか気恥ずかしい存在でした(笑)

なので、「元気な女の子」で売っていた当時の同じ世代のキャンディーズ、桜田淳子、天地真理さん等と比較すると一線を画しているイメージがありましたね。それゆえ「プレイバック~」や「ロックンロールウイドウ」のような「一見強いが、裏には寂しさ持つ女」のイメージにスムーズに移行できたのではないかと思います。

更にその時のイメージ、及びスパッと芸能界を引退したことから、「冷静で感情に揺さぶられない女性」というイメージがある気がします。

しかしですね、ベストテンで歌う前に久米さんや黒柳さんとのやりとりを思い出すと、大変優しくかつ温かみのある人だったな、という印象が強いです。手や足を動かして大げさにリアクションを取ることはないのですが、2人のあの速射砲トークに対してもニコニコしながら対応していましたね。

特に熱烈百恵ちゃんファンの久米さんの●クハラ行為に対しても、それなりに受け止めながらいなしていましたし(笑)、冷たい感じはなかったです。後、人の話を聞くときは温和なまなざしでしっかり相手の目を見ているのも印象的でした。

後年「昭和の歌姫」みたいなことを言われましたが、私的には「優しいおねえさん」という感じでした。生き様が強烈すぎるあまり、周囲が勝手に聖人的にイメージした部分もあるかと思います。そしてこの「乙女座宮」です。

彼女自身、少女から大人への転換期であり、実にストレート且つ心が躍るような歌なんですよね。それでは、歌詞を文字起こししたいと思います。阿木さん、宇崎さんの持つロマンチックさも良く表れていると思います。

乙女座宮 

1978年2月1日リリース、作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童

私ついてゆくわ(ホント?)とうに決めているの(どこへ)

今から旅に出ようと、あなたがもしも誘ってくれたら。

軽く瞼閉じて(ステキ)そっとうなずくのよ。(そして)

星座の地図を頼りに2人で幸せを探しに行くの。

さあ、流星に乗って銀河大陸横断鉄道。

そう夜空に輝く、星の、星の世界ね。

ペガサス経由で、おうし座回り、かに座と戯れ、

今は獅子座のあなたと一緒に。

私直ぐに行くわ(本気?)いいえ、悔やまないわ(誰と)

信じることが愛だと教えてくれた、やさしいあなたと。

ウエディングドレスを着て(白い)花を抱え(まるで)

少女漫画の恋人同士ね、二人の目に星が光る。

さあ、流星に乗って銀河大陸横断鉄道。

そう、この世に散らばる、星の中から。

山羊座に恋して、さそり座ふって、うお座に初恋。

今は獅子座のあなたに夢中よ。

さあ、流星に乗って銀河大陸横断鉄道。

そう、夜ごとに輝く、星は星は生きている。

恋する命のときめきだけが乙女座の祈り。若い獅子座のあなたに夢中よ、夢中よ。

最後のトークはあまりに酷いセクハラ質問であり、百恵ちゃんがかわいそうでUPもためらったのですが、その前のやり取りは彼女の「普通」な感じが良く表れている、と思ったので挙げさせていただきました。下ネタにも嫌悪感を出すことなく、変に乗っかる事もなく無難に対応していますね。

更に目線が甘えた感じではなく、徹子さんの目をしっかり正面から見て話しているのが好感が持てます。。原田真二さん、渡辺真知子さんといった個性的な2人が横で小さくなって子供のように聞いているのも印象的ですね。

そしてこの頃から、百恵ちゃんのリリースされるシングル曲は2つのパターンに分かれていったと思います。

ひとつは「プレイバック~」「絶体絶命」「ロックンロール~」にみられるような「男にも遠慮なく意見する強い女。しかし寂しさも併せ持つ歌詞」。もうひとつ「しなやかに歌って」「いい日旅立ち」「さよならの向こう側」見みられるような、「男を優しく見守る、母性が強い大人の女性の歌」ではないかと思います。

「乙女座宮」は正にその転換期の狭間にリリースされた曲だと思うのですが、さりとて今までの「思わせぶり少女」を引きずっているわけでもなく、素直で幻想的で歌詞は正統派アイドル路線の王道の内容でありつつ、大人の女性観をも踏まえている、いわば「逆実験曲」的意味合いが強い曲ではないかと思います。

曲自体のイメージについてもクセが無く、非常に聞き心地がいいんですよね。そして実にあっさりとかなり親密な男女の恋愛について語っています。そしてコーラスやバックの演奏も、柔らかい感じですね。

歌全体がなんだか歌い手の百恵ちゃんを応援しているイメージなんですよ。大変開放的な歌だな、と思うのです。

そして、以降の百恵ちゃんの歌はどちらのパターンにしても「個」のイメージが強いですが、この歌に関してはいい意味でみんなを巻き込むイメージなんでよすね。

更に遡ってこの前の少女期の百恵ちゃんの曲はやはり「個」もしくは「個 対 個」。非常に閉ざされた世界のイメージなんです。

私はたまたま百恵ちゃんの曲を初めて意識して聞いたのは「乙女座宮」だった訳ですが、この曲の開放感が心を捉えたのではないかと思います。私自身、子供の頃には開放感を求めていましたし、趣向的にもこの路線が大変しっくりくるのですよ。

そしてその後、彼女の路線が2分化していく中で、「でもしかし彼女の原点は『乙女座宮』である」という故郷を懐かしむような思いが、私自身の中で深まり印象深くなったのではないか?そんな気がしてるんのです。

そしてですね、「山口百恵」という人の根本的な部分はいったいどんなものなのか?それは演じてきた「強い女」でも「惑わす少女」でも「おしとやかな女性」でもないような気がします。幾多の誘いを断り、完全に復帰を絶った強い意志。そして歌番組での柔らかな表情。

実は「乙女座宮」での歌い手こそ「山口百恵」という女性の本質ではないか?という気がするのです。百恵ちゃんは一時あまりに”伝説””レジェンド”扱いされ過ぎた!

あまりに「歌姫」とかそういう扱いにこだわる為に、彼女のミュージシャンとしての才能・価値、そして曲のクオリティは意外に正当には評価されていない気がするのです。

私の出した結論というのは、、、「さよならの向こう側」及び「ロックンロールウィドウ」という対極の歌を歌いこなす一級品の歌手でありながら、その内面は「乙女座宮」のような昭和的な普通の優しいお姉さん、ではないか?という事になりました。

後期の百恵ちゃんはなんだか「追い詰められている」雰囲気があり、なんだか見ているのがつらかったですね。

今日はこんなところです。

それでは、また。

※ 今回、百恵ちゃんの画像は「笑顔」を中心にセレクトさせていただきました。

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